XLVI 後の祭り
R07/07/14・編集
どこ行きやがったアイツ…!
ってかなくはないけど気配が薄い…
それに魔素の使用量が多すぎる…クソがよ
「姉様!あっち!東の方!」
「いたね、急ぐよ」
リーナイス!飛べばすぐ着くはず!
全速力とまではいけないけどできる限り早く飛ぶぞ…
東…こっちか、風が強い…目が乾く…
神導王朝アルミーン・カントリー:東
「ヴァレリア!」
「…あら、遅かったわね、もっと早く来ると思ってた」
妹に向ける目ではない、冷たい目、
雰囲気が前会った時と違う…
それにまるで早く来ることを知ってたみたいな言動…流石にわかってたか
「ヴァレリア、死者蘇生は禁忌だ、やめろ」
「そうだよ、死んだ人は土に還るんだよ」
「さっきも言った通り、遅いのよ、もう終わる…いや、始まる?」
…遅かった?
嘘でしょ…冗談、だよね
『嘘じゃない、ヴァレリアは、禁忌を犯したんだ』
…だめだよ、禁忌を犯すなんて
『大丈夫、ちゃんと裁きを下すから』
…そっか、リエルが言うなら大丈夫かな
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「ふふ、もうすぐ母様が帰って来るのね」
「…ヴァレリア、死者蘇生が禁忌足り得る理由を知ってる?」
「知ってるわよ、世界の理を壊すからでしょ?」
「それもそうだね、でも違うよ」
リミーってば、何を言っているの?違うわけがないじゃない
生物神である私が言ってるのよ?
創造神ごときが何を言って…
「ヴァレリアがやった死者蘇生は、蘇生した人を術者が殺してしまうんだよ」
「…だから、何よ」
「可哀想だね、母様が好きで生き返らせたのに殺してしまうだなんて」
「そんなこと記されてなかったわよ!!」
「だって、本来の代償は死だし、何も起きなかったとしても死神が来るだけじゃない」
…さっきと雰囲気が違う
怖い、でももう後戻りはできない
やらなきゃ、母様のために
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リエルから教えてもらったことを受け売りしただけなんだけど、結構怯えてくれてる?
『まぁ多分もう遅いけどね』
まぁそれでも再犯防止…いや、どうせ死ぬし、変わんないか
「…“黙れ"」
…口が動かない、なるほど、こんな感じで言うことを聞かされるのね
口をちぎったら話せるようになるかな?
「破壊魔法、姉様に触れないで」
「ごめん、ありがとう」
「そういえばリーは破壊神なんて言われてたわね、技能も破壊できるのね、知らなかったわ」
…こいつ、余裕綽々って感じだけど、手がすごい震えてる、
脅しが効いたかな
神が禁忌を犯し、神がそれを裁く
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