XLIII 蓬頭垢面
R07/01/04・編集
さて、ヴァレリアはどうやって倒そうか
言ったことを事実にするって…なんだそのチート技
創造の力持ってる私が言えたことじゃないか
でもなぁ…つまり死ねって言ったら死ぬんでしょ?
… 絶対防御でどうにかできないかな…
絶対ってついてるくらいだし防げるよな?
でも他の作戦もあった方がいいよな
ってかリーとアレンの件はどうしよう…
はぁ、行って確認するか
枯れ果ての大地…ウィアードの領土かぁ…
幽霊は大丈夫なんだけど行くのがめんどくさい…
いいや、リヴィの領土より近いし、さっさと行こ
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トープ州:枯れ果ての大地
毎々魔素の消費がやばい
死ぬかと思った、不老不死だけど
さて、ウィアードはどこかな
ってか霧濃いな…足元確認でやっとなんだけど
霧を晴らせることってできない?
『強風を出せばワンチャン?』
なるほど、風魔法の出番ってわけね
威力弱めてやったるで
「風魔法!」
唱えたと同時に霧が急激になくなり、なんだったら枯れ木が少し揺れた
地面は泥濘んでて揺れると言うより泥が飛び散った感じ、ちょこちょこ見える低木らしきものが少し揺れて見えた
揺れた髪の毛が目に刺さって普通に激痛
まぁこれで見やすくなったし、いいや
「びっくりした、侵入者かと思ったら、リミーだったんだね」
「ウィアードか、おひさ」
「ん、久しぶり。ところで何かあったの?」
「いや、リーって子のこと気になってさ、直接話聞こうと思って」
「わかった、ついてきて」
ウィアードの領、トープ州はこの世界では珍しい人がいないところ
ほとんどが幽霊と生屍で、ある種墓地のような冥界のような場所になっている
こう言う話を聞くたび記憶がないのが悔やまれる
ふらふら歩きながら話しているとだんだん廃墟のような城が見えてきた
あそこがウィアードの城か…私の館の半分くらいかな?結構デカいね
「ここから先はぼーっとしてると精神乗っ取られるからね、気をつけて」
何それこわ、幽霊のせいかな?
とりあえず気を引き締めてかないと…
なんて思いつつウィアードについていく、結構奥まで行くのね
「ウィアード様、その人は?」
無表情の蓬頭垢面な女の子、ウィアードと同じで足がない、髪はポニーテールの身長はやや低め
この子がリー、私と似た感じの女の子か…
「初めまして、で合ってるかな。私はリミー・アルミーン」
私の名を聞くとリーという少女は目を開いてこっちに走ってきた
「えっと、どうしたの?」
「覚えてない…ボク、お姉様の妹。リー・アルミーン」
妹…クレア以外の?
私どんだけ兄妹いるんだ…?
「そうなの?リミー」
「いや覚えてないけど…そうなんじゃない?多分」
「良かった。生きてた。ありがとうウィアード様」
「僕は何もしてないよ、じゃあ僕はこの辺でお暇させてもらうね」
「姉様、一緒帰ろ」
こんなラノベに出てきそうな妹がいるとは…
私の親族関係が怖いぜ…
まぁいいや、別嫌な気はしないし
「リーは転移魔法使える?」
「使える、ボク一回魔王になりかけたことあるもん」
「そうなの?すごいね」
「でも危ないからって姉様以外の魔王から怒られちゃった」
あ、私がダメって言ったわけじゃないんだ
まぁリヴィとカメリアあたりは普通にOK出してそうだけど
「そっか、とりあえず帰るよ」
「うん!」
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神導王朝アルミーン・カントリー:館内部
往復で魔素すっからかん
すぐ回復するからいいけど
「お帰りなさいま…ってリー様!」
「久しぶり、夜月、元気そうでなにより」
「リー様、良かった。生きておられ…てはないようですが、元気そうで何よりです」
「えっへへ、姉様が見つけてくれたの」
うんうん。仲良さそうでなにより、元々知り合いだったっぽい?
まぁ主人の妹なら知ってるか
「そうだ姉様、ボク強くなったんだよ!姉様の役に立つために頑張ったんだ!」
「そうなの?嬉しいな」
「だからあとで手合わせしてね!約束だよ!」
うーん、手合わせは嫌いだけど…
煌々とした目で見られるとどうにも断れないのが人の性
しゃーなし、やるか
リーみたいな子、意外と好き
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