XL 老婆心
R06/01/24・編集
ルルベイア州
ここがルルベイア州か…初めて来たな
確か近くにプランクの国があったよな、後で会うか
にしてもルナ姉…とやらはどこにいるんだ?
外見の情報くらい聞いとけば良かった…
「お嬢さん…お水ください…」
這いつくばってる青髪の青年(女の子のことも青年って言うらしい)
近くのナスタチウム州は砂漠だけどルルベイア州はそうでもなかった…よな
確かルルベイア州は避暑地だったはず…でもそれが砂漠を否定する要素にはならないか
とにかくこの人のことをどうにかしないと…
水…水魔法でいいかな?
「水魔法」
唱えたと同時に指先から血みたいに滴ってくる水、それをどうにか飲もうとする女の子
結構変な絵面ではあるが生きるために必死なのが伝わってきた
可哀想だな…この子
「ありがとうございました…私はルナ・ムーンライト。あなたは?」
ルナ…あ、なるほど、パイエオンが言ってた生き延びてるってこういう…
「私はリミー、その…あなたの妹?に当たる人です」
「リミー…あれ起きてたの?噂は本当だったんだね」
「噂?」
「そう、リミーが黄金不死鳥を倒したって」
あれ優里の成果になったはずじゃ…あ、私が上層部っぽいやつ脅したから噂が出回らなかったのか
倒したってか取り込んだんだけど…まぁ変わんないか
「いやまぁ…うん。でルナはなんで行き倒れてたの?」
「お姉ちゃんって呼びなさいよ…えっと、ナスタチウム州からここまで来てたんだけど、ナスタチム州で水飲み干しちゃって…」
「バカなの?」
「ごめんて」
「んまぁ、会うのが目的だったから、私はもう帰るけど…」
「そ。わかった、またね」
あとはナスタチウム州に行って…まぁ大した旅にはならないかな
ナスタチウム州及びルルベイア州国境:タンジェリン砂漠
あっつい!!
何ここ、不死鳥の近辺にいた時と同じくらい暑いんだけど!!
やばいって、ほんとに!暑冷順化!はよ!
『わかったから』
ふぅ…マシになった
暑すぎて死ぬかと思った…
さっさと行かな朝になる…もっと地獄になるわ…
ナスタチウム州内部
はぁ…転移魔法ケチらなきゃ良かった
プランクってどこにいるんだろう…あのでかい宮殿かな
さっさと行こ
「そこのお嬢さん、入国審査は?身分を証明できるものはある?」
「身分…魔王リミー・アルミーン、プランクに会いに来ただけだけど…」
「それは証明できる?」
「わかんないよ、何で証明したらいい?」
「何かないの?魔王って言ったって嘘ついてるかもでしょ」
「いやまぁ確かにただの肩書きだけど…証明かぁ…」
「できないなら帰って、それができないならお縄についてもらうよ」
どうしろって言うんだよ…知らんよ、オーラの出し方とか知らんし
魔王特有の覇気とか出せないの?
『出せるから、警戒状態解いて』
めんどいけど、しょうがないか
少し深呼吸してリラックスしてみる、と同時にバカほどの虚脱感、
なるほど、覇気は魔素を使用するのね、じゃあ長時間は使えないか
「どう?これで魔王ってわかんない?」
「ヒッ…す、すみません!無礼を働いたことをお許しください!」
「いいよ別に、んじゃ私は行くから」
「は、はい!!」
そんなに怖がられてるのか、魔王って。まぁ魔王だし、しょうがないか
そんなことを思いながら足を進めつつ、警戒状態を元に戻した
バーミリオン宮殿
おぉ、綺麗だ、あっちの世界だとブラジルとかが似てるのかな?本で見たことある程度だからわかんないけど
プランクは…こっちかな?
「プランク?いる?」
「あら、リミーじゃないの、どうしたの?何かあった?」
「何もないよ、大丈夫。ルルベイア州に用があったからついでにね」
「ついでって距離じゃないでしょ…お疲れ様、そうだ、何か飲む?」
「ううん、大丈夫、顔出しに来ただけだから、またね」
「何かあったらまた呼んでちょうだいね!」
そんなプランクの声が少し聞こえたところで、私は館に帰った
久しぶり…とも言えないか、に会うプランクは、国民とさらに親睦を深めてるらしい
街中で聞いた話だから確証はないけれど、少しずつプランクの好感度が上がってるように見て取れた
やっぱり魔王だからか国民の中には不信感を持ってる者もいるらしいけど、そんなの関係なしにプランクには幸せでいてほしい
国民がいない国を統治してるから、苦労はあまりわからないけど、大変なのは伝わってくる
私とリヴィにはわからない苦労をみんなは抱えてるんだな…
今度みんなになんか送ってやるか、
食べ物とかにしないとアギシャンが変な勘違いするしな…
たまには同僚の様子を見るのも悪くないかな!
いや同僚ってより後輩?年齢的には先輩?それとも同期?どれだ…?
ま、いっかそんな細かいこと、
プランクはオネエですがいい子なので好きになってください
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