市長公邸での戦い②
市長公邸にたてこもり戦うことを決めたカエサル。
敵はどうやって攻めてくるのか?
屋上で、メリサを無事に迎え入れたカエサルは、周りの建物に行っていた他の兵士たちも、公邸に戻って
くるのが見えた。敵兵も2個小隊レベルかが追いかけてきていた。
公邸前はバリケードを築いていて、簡単には入りにくい形をしているが、一ヶ所だけ正面を3人くらいで並んで通れる道を作っていた。
公邸の入口で、そのまま突入することはせず、小隊は入口でとまり、他の隊が揃うのを待っている。
「すぐに突撃しないのは優秀だな。」と口にする。
はみるみるうちに敵兵に包囲され完全に包囲下に置かれてしまった。
少しして、斥候であろうミティリーニの兵が数名、素早く駆けこもうとしたが、弓矢に阻まれて数人が死亡。
その後も突入が繰り返されるが、矢を防げなくて攻めあぐねる。
それから大きな盾を持った兵士がゆっくり歩きながら進んできた。
身体も隠れるくらいに大きな盾を持った兵士は、すべての矢を食い止めて前身を続ける。顔も隠しているため、攻撃がどうしても限定されてしまうのだ。
あと少しのところまで来たときに、盾を持った兵士と後ろに続く兵士たちが、土に埋もれてしまった。
「うあああ」叫び声、驚きの声があがる。
地面が突然落ちて、なんだこれは?と叫び声が上がり盾が離れたところで、兵士たちは矢に打ち込まれた。
穴に落ちた全員に、さらに後ろから兵が詰め寄り身動きが全くできなくなった。兵士たちは後ろにも逃げられないと思い前に全力で突入しようとするが盾を捨てて走り込もうするが、抜け出すまえにほとんど矢で射殺された。
生き残った兵も正面で待つダインたちの持っていた長槍で侵入を阻まれて、行き場を失い刺されて死んだ。
まるでその狭い落とし穴の範囲が地獄絵のようになった公邸の入口はミティリーニ兵が押しつぶされ、射殺され、盾がまっすぐにたったりして通り道にならないくらいの状態になった。味方の兵士も苦しい表情になった。
しかし、そのお陰もあってか正面からの突入を試みることは止まり、籠城したメンバーは一時的な休息を得ることができたのだった。
その間で、罠をしかけたことについてカエサルたちは会話を交わした。
「事前の準備が良かったですね。」アルバニスが言う。
「ああ、よく良い感じでかかる落とし穴を短時間で作ってくれた。」と礼を言うカエサル。
「すげえ。」ルチャは感嘆しっぱなしだった。
「うーん、すごいな、しかし敵兵とはいえむごいな。」と言ったのは中隊長のジベリオ。
「もちろん、必要な処置ではあったが、殺す力が強い、と思っただけだ、すまない。」
少し、この罠での殺傷に衝撃を受けたようだった。
「そうですね。惨いことを理解して攻めあぐねてくれるというのが一番良いですがね・・・。」とカエサルも言った。
少しの間を置き、周りから公邸に矢が飛んできだした。特に2階の矢を打ったあたりを中心にだ。
時折火矢も飛んでくるが、前もって撒かれた水もあり直ぐに延焼は市内状況だった。公邸は木造ではなく、レンガを丁寧につみあげて作ったもので耐火性にすぐれ、強度も非常にすぐれていたのだ。
火矢での効果も薄いと見て、敵は盾兵が前に出て、入口を広げるため、死体やバリケードの撤去を開始し
だした。すこしずつ奥に追い詰められそうになってきた。
追い詰められることは非常な恐怖を感じるものであったが、カエサルはその間に2階に大量の兵士を弓やを準備して配置して待機するように指示した。1階では公邸の入口前に、油をし見渡せるように指示した。
敵兵の死体などの撤去がある程度できて敵軍が一斉に再び盾を中心に攻めてくる。
「うおー」
雄たけびをあげながら盾を前に攻めていた敵。横列でも10人、背後にはより多くの兵が見えた。
しかし!次の瞬間、敵兵が正門を超えたあたりにきて
「火矢を放て!」
カエサルの声で公邸の門を超えた敵兵がいる状態で、門が勢いよく燃え出した。
盾を主に持った前列の者たちと後ろに続く兵士が完全に分断された。後ろからの援軍がない盾兵は盾を振り回して戦いを続けるが、カエサルの兵士たちは距離をとるだけで積極的にきりかかったりはしてこない。
盾兵たちは盾を手放すこともできず、重い盾をひたすら振り回す。その隙間から槍や矢が飛んでくるのだ。なすすべ無くひとり、ひとりと打たれて行った。
再び突入を撃退するとができた。しかし今度はかなり奥深く迄攻められてきたのだった。
もうそんなに長時間もたせることは厳しいなそうカエサルは思った。
その時、包囲された公邸の周りの壁を乗りこえ、忍び寄ってきていたた身軽な敵兵たちが叫びながら
内部にいた兵士にきりかかってきたのだった。
敵が横からも迫ってきていることを感じた篭城組は3階、2階、屋上のメンバーが周りを見て、忍び寄る
敵を叩き落すことに専念した。
じわじわと包囲網が効いてきだした。
全員休むことはできているが少しずつ冗談を口にしたりできなくなってきていることを感じた。
「さて、そろそろ道を開くとするか。」と言って座って休んでいたカエサルがたちあがる。
歩いて2階にあがり、投石器のようなものを調整していたアルバニスの傍によっていく。
「アルバニス、準備はできたか?」
そう声をかけられたアルバニスは、笑顔で、
「角度の計算もできたので、この2台の投石機械で、横になぎ払うように石を飛ばせます。」
「よし、全員投石機の前を空けろ。」
それから10人がかりで石の代わりに彫像を運び2つの投石機にしっかりと載せる。
カエサルはその指揮はアルバニスに任せて、投石と共に打って出てことにきめた。追随するのは約50人。その間の全体の指揮をビティニアの中隊長に任せる。
「いけーっ」
アルバニス声とともに彫像が投げ出され、公邸正門に迫っていた何人もの兵士が吹き飛ばされた。
さらに次の投石が行われる、敵が怯んだ隙にカエサルたちが門を飛び出して左回りに公邸沿いにたまった敵をけちらしにかかった。
横から敵が来ると思っていなかったのか、多くが混乱し、堀に投げ出されり、自分から飛び降りたりする。
カエサルは雄叫びをあげながら進むがさすがに敵兵が多く、半周たどり着かないところで前進を止めて引き返すことにきめた。
今度は敵が必死の形相で襲いかかってきた。
しかし、公邸の周りの敵の注意がカエサルたちにいくことで、2階、3階からの弓矢での支援もあり無事
撤収することができたのだった。
カエサルは、さすがに先陣を切ったためか、あちこちに傷を受けたが大きなけがはなかった。
今度は敵の歓声が響き渡る。
休みを取る間もなく、2階に欠上り、情況を把握しようとしたカエサルの目にローマ軍団の旗が迫って
きているのが見えた。
「いまだ。」
そうつぶやくと、
「ローマ軍が来たぞ、反撃開始だ。」と全員にいう。
「今が最後の勝負時だ。敵をけちらせ。」
ふたたび、アルビオスの作った投石機が火をふく。
まだ遠くにいるがかなりの早さで攻め込んでくるローマ軍に呼応してカエサルたちは、ローマの旗を
掲げながら、反撃に出た。
ローマ軍が北の城壁を超えてミティリーニの街に入ってきた。
ミティリーニの街の未来はどうなっていくのだろうか?




