プロローグ②
ここまでは短編と同じです。
次回から続き書きます。
◆
全然集中できん。
時間は23時50分。
あと10分で4月22日。運命の日だ。
何だかんだ言いつつ、やっぱり俺も運命の人ってのは気になる。
これで気にならないって言った方が珍しい。
どんな人が運命の人なんだろうか……。
親父達曰く、赤い糸が見えると相手の姿が脳裏に浮かぶらしい。
流石に名前まではわからないらしいが、ずっとその人のことが頭から離れないんだとか。
欲は言わないが、綺麗な人か可愛い人がいいな。
胸はないが竜宮院が運命の人だったら、幸せなんだろうけど……ま、そんなことありえないか。
時計を見る。
あと5分まで迫っていた。
高々16年の人生だが、人生の中で1番長い10分だ。
寒くもないのに身震いをし、鼓動が早まる。
あと、4分。
3分。
2分。
1分。
すーーー……はぁーーー……。
……よし来いッ!
5、4、3、2、1。
『真田暁斗──あなたのことが大好きよ』
…………。
……………………ん?
………………………………んん?
金髪のミドルショート。
緋眼のアーモンドアイ。
たわわな胸。
日本人離れした美貌が、俺に向けて優しい笑顔を浮かべている。
その相手とは──。
「……久遠寺……梨蘭……!?」
◆梨蘭◆
「────────ッッッ!?!?!?」
え………………そんな……………………うそ……。
うそうそうそうそ、うそっ!?
時間は……4月22日、0時1分。運命の日。
左手の薬指には、間違いなく運命の赤い糸。
そして脳裏に浮かぶのは──。
『久遠寺梨蘭──お前を愛している』
「〜〜〜〜〜〜〜〜ッッッ!!!!」
真田……暁斗……!
長すぎず、短すぎないスッキリとした黒髪。
一見目つきが悪いように見える切れ長の目。
キックボクシングをしてるらしく引き締まった体。
だらしない。
面倒くさがり。
へらへらしてる。
エッチ。スケベ。女の敵。
──私の大好きな人。
「ぅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!」
あっ、明日からどんな顔して会えばいいのよぉ!
「真田のばかぁ……!」
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