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【Web版】俺の『運命の赤い糸』に繋がってたのは、天敵のような女子だった件  作者: 赤金武蔵


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第167話

   ◆



「はぁ!? それ本当!?」

「ああ。ジムで璃音に聞いた」

「…………」



 愕然。まあそうなるよな。


 夕飯中、璃音に聞いたことを梨蘭に言うと、思った通りの反応が返って来た。

 俺だって驚きだ。まさか体育祭の二週間前にこんなことになるなんて思わなかったし。


 いや、でもまさかなぁ……。






「クラスの男女別でチームを分けるだなんて、予想すらしてなかった」






 1、2組の男子が赤。女子が白。

 3、4組の男子が白。女子が青。

 5、6組の男子が青。女子が赤


 つまり、俺と龍也は青組。梨蘭、寧夏、ひより、璃音、諏訪部さんは赤組ってことだ。

 この決定に、梨蘭は久々にイラついた顔で机をバンバン叩いた。



「というか常識的に考えてそれってありえなくない!? なんでそうなったの!?」

「俺らが赤い糸で繋がってるって知られたから、同じチームにいたら運命的効果のせいでフェアじゃないから、だってよ」

「高校のイベントなんだからそれくらい許してくれてもいいじゃないのよー!」



 頭を掻きむしる梨蘭。うんうん、まさにその通り。その通りすぎてぐうの音も出ない。


 でも確かに、濃緋色の糸で繋がっている俺と梨蘭が同じチームにいたら、なんか見えない巨大な力で勝負にならないだろう。

 それにうちのクラス、俺らだけじゃなくて龍也と寧夏も赤い糸で繋がっている。

 そりゃあこうなるのも仕方ないか。


 梨蘭はがっくりと項垂れ、寂しそうに眉を下げた。



「うぅ。せっかく暁斗と同じチームで楽しめると思ったのに……」

「まあまあ。別のチームでも楽しめばいだろ?」

「私は同じチームで体育祭やりたかったのよぉ」



 あの梨蘭がここまでぶーぶー言うの、珍しいな。

 そこまで俺と一緒にやりたかったって思ってもらえるのは、純粋に嬉しい。


 内心、密かに喜んでいると、梨蘭が「そうだっ」と立ち上がった。



「璃音に言えばいいのよ! まだクラスでも言われてないなら、今からでもなかったことにしてもらえば!」

「いやいや。璃音に迷惑をかけるんじゃありません」

「ぶぅ~……」



 可愛いけど、そんなふてくされないの。

 そりゃ俺だって、できれば同じチームでやりたい気持ちはある。

 でも決まったものはしょうがないさ。



「敵チームでも、正々堂々勝負しような」

「……わかったわ。思えば、アンタとちゃんとした勝負をするのって初めてだもんね。けちょんけちょんにしてやるんだからっ」

「おう。泣いても文句言うなよ」

「もし私が泣いたら、その日の夕飯は胡麻ね」

「何かある度に胡麻を食べさせようとしてくるのやめてくれない?」



   ◆



 翌日。璃音と三千院先生がチーム分けのことを言うと、まあ思った通り反感はあった。


 けど、俺と梨蘭が同じチームだと不公平が生まれるって説明したら、めちゃめちゃ納得された。解せぬ。


 そして昼休み。



「なんか納得いかん」

「そうだねぃ」

「何がだよ」



 龍也と寧夏がまだ納得いってないのか、飯を食いながら文句を言っていた。



「だってよー、せっかく赤い糸で繋がってんのに別チームでイベントなんてさぁ」

「学校側もケチだよねぃ」

「なんでも、若いうちから運命の力に頼るのはよくないってことらしいぞ。生徒会長が言ってたらしい」

「生徒会長……あの女傑か」

「うへぇ。ウチあの人苦手」



 2人は生徒会長と面識があるらしい。

 そういや、俺生徒会長って知らないな。



「どんな人なんだ、生徒会長って?」

「クソ真面目でクソ律儀。夏の大会が終わってから、女子剣道部の主将をやってるらしい」

「頭は常にポニーテール。鋭い目つきに高身長。ついたあだ名は女傑だよ」



 赤い糸が現れる前の梨蘭。その上位互換みたいな人か。

 うへ。俺の一番苦手なタイプ。



「何々? 薬師寺先輩の話?」

「ん? ああ、梨蘭」



 見ると、梨蘭と璃音が弁当箱を持ってやって来た。



「一緒に食べていいかしら」

「ああ。いいぞ」



 近くの机をくっつけ、五人で円になる。

 なんだか大人数になったな。



「ごめんなさいね、倉敷君、寧夏ちゃん。私も会長に言ったんだけど、あの人聞かなくて」

「いんや、竜宮院のせいじゃないぜ。悪いのはあの鬼のせいだ」

「ばーかばーか。女傑のあほー」



 言いたい放題だな、こいつら。



「梨蘭も生徒会長のこと知ってんのか?」

「知ってるも何も、超有名人じゃない。薬師寺美織(やくしじみおり)。完全無欠で一切隙のない立ち振る舞い。私の憧れの人よ」

「お前隙ありすぎなのに?」

「え? 喧嘩売ってる?」



 さーせんっした。



「ていうか、なんで暁斗は知らないのよ」

「なんでと言われても。部活に入らず普通に生活してたら、上級生なんて知る機会ないだろ」

「生徒会選挙とか、ものすごい盛り上がりだったわよ」

「寝てた」

「アンタね……」



 だって生徒会も生徒会選挙も興味ないし。

 みんながそんなに言うんなら、相当凄い人なんだろうけど。



「ま、俺には関係ない話だな。そんな人と関わることもないだろうし——」






「すまない。君が真田暁斗君かな?」






 え?


 呼ばれた方を振り返る。と、そこには見たことのない人が立っていた。


 長身。切れ長の目。黒く長いポニーテール。

 口は真一文字に結ばれ、射貫くような眼光が俺を見る。


 まさかこの人。



「や……薬師寺、美織……!?」

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[一言] 凄い暁斗君、フラグを立てた秒で回収される(笑)
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