けもの
おきなさい、わたしのきおく。
もうあさですよ。さあ、いきましょう。
しんしゅのまものがあらわれた。しかしまものはおどろきとまどっている。
「きみたちのでばんだ!」
こうれつから、もぶA もぶB もぶC もぶDがとびだした。
きおくたちはようすをみている。
もぶBのこうげき!まものに2のだめーじ!!
もぶAのべあはんず!まものに3のだめーじ!!
もぶCはようすをみている。
もぶDはあしがもつれてころんでしまった。
まものはこちらにきづいたようだ。
とすふぁはふういんのとっくんをかいしした。
もぶAとBのれんけいがはつどう!まものはとまどっている。
もぶCのこうげき!まものに6のだめーじ!!
もぶDはいしをなげつけた!だがまものはひらりとみをかわした。
おとうさんとおかあさんはいちゃいちゃしている。
もぶAとBはもぶDにもんくをいっている。
もぶCのこうげき!みす!まものはだめーじをうけない。
まものはちからをためている。
「きをつけるんだ!」
もぶAとBはみをまもっている!
もぶCはきのうしろにかくれている。
もぶDはゆびをぐるぐるとまわした。まものはめをまわした。
まものはめをまわしている。まもののこうげき!じぶんをこうげきしてしまった!まものに20のだめーじ!まものはたおれた。
てててーてーてーてってってー。
きおくたちはたたかいにしょうりした!それぞれ1のけいけんちをえた。
てててってってってー。
もぶDはれべるあっぽ!あらたなあそびをおぼえた!
顔はイヌ科の動物みたいだったが、人と同じように2本の足で立ち上がり、これまた同じように指の長い手をしていた。
獣人、とかいうヤツだろうか。
ただ武器は持っておらず、手足の爪や鋭い牙を使うあたり、知性は低かったのではと思う。
初めて見る人型だったが魔力は10程度、他の魔物たちと変わらない。
そんなわけで4人に戦ってもらったんだが…。
4人の見事な連携で危なげなく勝利!これで彼らも自信が付いたのではないだろうか。
うーん、しかしなぁ…。
新種の魔物といっても他と変わらない魔力――もしかして、この世界の魔物はそんなものなのか?見た目的には他のよりも強そうだったんだが。
長毛種のような長い毛で覆われていたが、彼らの素手による攻撃は通じていた。
ブンブンと振り回していた手足は重そうに見えたものの、それ故に遅かった。
木の魔物のツルの方が厄介なくらいだ。
いやいや、僕の悪い癖だ。小を見て大を語る、兄貴にもよく指摘されてたよ。
それにドラゴンとかまだ見てないからね!
ファンタジーの王道、ドラゴン退治を夢想する。
瞼の裏にその雄々しい姿が浮かんでくるようだ。
(おや?目の前を横切っているのは…?)
進行方向の先にどこかで見たようなシルエットが映る。
それは我が物顔でのしのしと歩いている。
「…トカゲ?」
見た目はトカゲみたいなんだけど、大きさが……。
人差し指と親指を頭と尻尾の先に合わせる。
その手と実物を見比べる。
40メートルは離れているのに、この指の開き具合…。
「デカッ!」
ワニかな?実物見たことないけど、ワニかな?パニックしちゃうぞ?
声を上げているのはキヲクだけだった。
何のリアクションもない他のみんなを見て、彼は平静さを装う。
「ん、んっ!…うん、喉の調子はいいな!」
一体何の確認をしているのか。
彼は喉を触っている。
(あれも魔物か?ドラゴンを妄想したらトカゲが出てきた?)
「あれはケモノだよ」
(お父さん久々のセリフ!…え?獣?)
「子供のころ親父と一緒に狩りに行ったことがあるんだ」
(ということはアレ食えるのか…。そういえば…空の缶詰に描かれてたシルエットって、アレをデフォルメしたやつか?)
獣はこちらに興味を示さず、呑気に草食べてる。魔物とは違い、人は襲わないようだ。
その時、アリバイトリックに気付いてしまったかのように電撃が走る。
(子供のころってことはまだ魔力が使えない頃の話だよな?ということは獣に魔力は無いということ…?)
辿り着いた推理に、思わず口角が上がる。
黒塗りすれば、どう見ても悪人面に見える。
(ふふ、ふふふふ。これは見せ場がきたのでは?
そろそろ新しい異界メシに飢えていたところなんだよ。命までは奪わない、だけどその尻尾いただけないだろうか)
刀を抜いてペロっと唇を舐める。
集中して特訓しているトスファ以外は、僕が何をするか分かったようだ。
「今宵の魔剣は血に飢えておるぞ」
へそ前あたりで構えた刀を右脇に寄せ、駆け出す。
目標との距離、およそ2メートルまで狭め、左足を地面にめり込ませた。
(その尻尾頂戴致します!どうせナメッ〇星人みたいに生えてくるんだろぉおお!!)
獣さんは何事もなかったように草を食べ続けている。
金髪以外の方は何も言わず、こちらにじっと視線を向けていた。
(なんでだよぉおおおおおおおおおおお?!なんで弾かれるんだYOOOOOOOOOOOO?!)
両膝をついて両腕を振り下ろし地面に叩きつける。
その痛みよりも怒りが顔を支配していた。
(なんで?!どうして?!魔力20ってどういうこと?!魔物よりつぇえじゃん!)
大した差ではないとはいえ、魔物よりも強く輝く獣の魔力。
確認を終えたキヲクの目が力を失う。
(こいつら昔は狩られてたんだよね?だから調べなかったんだよ?!突然変異とかそんな感じ?!)
恥ずかしさと混乱が僕を襲い、首が自然に動いて顔がお父さんの方に向いた。
「昔と違って体色が変わってる…?」
(その情報もっとハヤク!!獣も魔力を帯びるようになったってことじゃん!これからの時代獣を狩るのも魔力必須ですか?魔力5の僕に居場所は無いんですか?!ちっきしょーめ!)
その後みんなから背中をポンポンされて、慰められた。
優しさが心の涙を誘うぜ…。




