第九話
ある日、私に突然目覚めた力、このことに触れるのは何度目でしょうか。私はこれを神様がくれた、家族を守るための力だと思っていました。この力のことを知らなかったお母様やお父様も、その為だけに使いなさいと。私はそれを守れませんでした。でもだからこそ、彼がその力について教えてくれたのです。
今日から彼は王子であると同時に私の「せんせい」にもなりました。私のこの力は魔力と呼ばれるものらしいのです。彼が幼少期の頃から、かの国で研究が始まり、様々なことが判明したそうです。その内容に私は驚いたと同時に落ち込みました。特別な力だとずっと思っていましたから。ですが、彼はこう言ったのです。国では使えたのは自分だけだったと。そしてこの力を持った自分がいたからこそ、マモノが国を襲い、対抗できる自分だけが生き残ってしまったと、とても悲しそうな目で話をされました。私にはその目を変えることは出来ませんでした。そんな目でさえも、私を離すことができなかったからです。
彼がマモノに苦戦を強いられたのは、逃亡の旅の疲れに精神的なものが重なったからだと言います。ここでの生活でそれも改善されたよう、それと私が力を扱えたことに希望を見出したそうで、ちゃんとした使い方を教えてくれるらしく、お母様の話に出てきた、お姫様にべんきょうを教えるせんせいのようです。
その教えは厳しいものでした。ですが、出来るようになるとご褒美と言って、すごく褒めてくれたんです。それに初めての、恥ずかしくて書けませんね。でもそれが嬉しくて、胸にまで火が付いたようでとても熱くて、それは書いている今も。
私は色々な事が出来るようになりました。彼が言うには、魔力を別の力に変えるのです。明かりを灯す火であったり、のどを潤す水であったり。他にも木々を揺らす風や地の揺れなんかも。他にもまだまだ使い方があるようでまたの機会にと、その日が、ご褒美が楽しみで今日は眠れるでしょうか、それくらい胸が高鳴っています。
これまでのように詳しく、詳しく続きに書いておきますので、読んでくださいね。あなた達にも、そんな素敵な彼との出会いがありますように。
一つだけ気になることがありました。私が落ち込んだ時のことです。不思議な感覚でした。けれどすごく落ち着ける感じでもあったのです。まるで家族といる我が家のような。これもいずれ彼に聞いてみることにしましょう。これがお話のタネというものですね。




