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たとえ清楚美少女でも滅法シニカルだったらどうします?

 三つ編みを丸くまとめた髪型シニヨンが特徴の黒い髪の少女は、冷めた目で雄介を見る。


「それにしても、どうしたらこうなるの?」


 深夜3時を過ぎたころ、居間はとっても気まずくなっていた。


 その少女が切り出した声のトーンは氷点下なみだ。ただそれも彼女の心に迫ってみれば、仕様がないのかもしれない。雄介とみーことミコトは輪になって、互いの腰に手をかけ、互いのパンツを引っ張り合っていた。


「しかるべき場所でやって頂けるなら私は関知しないのだけれど、ここは果たしてそういった場所だったのかしら? 間違っているのは私のほうでしょうか、ねえ、雄助さん?」

「ごめんなさいごめんなさい、これには深くもないけどワケがあるんです」


 雄助は自分と自分を取り囲む二人の惨状をぐるっと見回して、どうにか通りの良い理由が出てこないかと頭を巡らせる。ただし、そんな突飛な言い訳を考えるスキを黒髪少女が与えるはずもなく、


「なるほどね。そのウロボロス型の体位は知らなかったです。そういった実験プレイだったのですね? 良くわかりました」

「オレまだ何も言ってないけど!?」

「目は口ほどにものをいうと言います。今のが釈明だったと私は解釈いたしましたけれども、私に不手際がございましたか?」


 そうだよね、そうでしたよね。うん、彼女ならそう思うのもむべなるかな。分かってる。本当はその解釈には徹頭徹尾ムリがあるってバリバリ主張したいが、状況の手前あまり強く出られない。


 実際にミコトの腰に手をかけたのは現象だけを見ればまぎれもない事実だしね……。彼女の言い方が慇懃だったことも、やり辛さに拍車をかけた。とはいえ、屈服するわけにもいかない。このままでは好感度が地に落ちる。


 立つ瀬がなくなったハーレムは天国ヘブンから地獄ヘルへ真っ逆さまだ。行きはよいよい帰りは地獄とはよく言ったもので、信頼回復なんていくら時間があっても賽の河原に石を積むように空しい。それを回避するためには、何としてでもこの場を切り返して状況の回復を目指すほかはない。


「いいや、まだ釈明は済んでない」

「じゃあ、きちんと理由があるんですね? 良かった、見下げ果てるところでした。それでは、どうぞ? 納得できる説明をお願いしますね。期待していますよ」


 ずいぶんとハードルが上がってしまった。けど、せっかくのチャンス。たとえ口八丁手八丁でも、まずは時間を稼いで考えよう。 頭と口は回すためについてるんだから、回してれば妙案だって思いついて正のスパイラルだって起こせるさ、きっと……おそらく、多分、Maybe.




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