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清楚なんて外だけで充分です 1

「もうさぁ、これは残暑なんてレベルじゃないよ夏の再来だよ。要するにアイス食べたい」


「それは暗にこれからアイス買いに行けって言ってるのか……? いま夜の2時で、最寄りのコンビニまで走って15分はかかるんだぞ……!?」


「今なら私の機嫌を取れる上に買ってきたら口移しで食べさせてやるが?」


「せっかくのアイスの良さが失われてしまうと思うんですがそれは」


「ふぁっく。とにかくだ、冷たい物を私に献上するんだ。さすれば万事は泰平なり」


「暑いからって唐突に歴史ゲーのノリで将軍をるのはやめろ、分かってても語りたくなる」


「そして知恵熱でぶっ倒れる、と……いまどき清楚系女子高生でもお前さんほど柔くねえぞ」


「清楚系いうな清楚と言え清楚と……これでもまだ男子高生なんだから。夢を見ていたいお年頃なんだよ!?」


「夢はブロークンされたんだから、アニメとラノベは好きに買わせろと散々のたまってた口が今更何を言う」


「なるほど、一理ある。けど直接の原因を作った張本人が言うセリフじゃないと思うんだ」


「ほほぉ? 幾夜を寝ずに明かして数え切れないほどのポリウレタン材を消費しておいて何をおっしゃるかと思えば」


「それを言うってことは戦争だぞ」


「オーライ。どうせなら運動しようぜ、ストレス解消にもなるし、汗かけば体温も下がって一石二鳥ってな。れっつふぁっきんふぁっきん」


「だから夢を壊すなと……せっかく女らしくさせろって言うから頑張ってオラオラ系してたっていうのに台無しだよ……」


「ああそれな、ちょっと私の好みじゃ無かった、すまんな」


「ならもっと早くに言ってぇ!?」


「だからすまんと言っておろうに。それにやらせてみて気づいたが、何だかんだで私はそのままのゆーすけの方が好きなんだ」



 このバカ……なんでこうサラッと琴線に触れるようなことを言うかなぁ。



「しょうがない。何味が良いんだよ」


「へ?」


「だ か ら、アイス。買ってきてやるよ、30分待っててくれるならだけど」


「お、おう……じゃあクッキー入りの奴とレモンサクレ」


(くっ、せっかく良い雰囲気にしようと頑張ってた私の作戦が。でも、このままでは終わらせん)


「クッキーのはハーゲンダッツだよな。行ってくる」


「ゆっくりでいいからな。あっ、でも待った、ちょいとこっちに顔向けてよ」


 手を伸ばして雄助の二の腕をつかんで、顔を引き寄せる。そして、


「なんだ、顔に何かついて……おまっ、えっ、ミコトッ、おいこらっ」


「じゃあ、今度こそいってらっしゃい」


(ひとまず、サイドミッションはクリアっと)


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