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あの女性は非常に危険です

「さて、中途半端な時間になっちゃたなぁ」


掲示板の前で簡単に終わりそうなクエストを探す。


「お、ちょうど簡単そうなのがあるじゃん」


掲示板から一枚のクエスト書を取り、受付へ向かった。


ギルドを出て15分ほどで、一軒の大きな民家にたどり着いた。


「この場所かな」


ドアをノックすると、中から若い女性が現れた。


「はい。どちら様ですか」

「どうも。クエストを受けてこちらにやってきたのですが」

「えっ、あのお願いを受けてくれたのですか!」


女性は驚いた様子だったが、すぐに中に入れてくれて詳しい話を始めた。


「私はルシアと申します。母が不治の病にかかってしまい、定期的にリリーブ草を煎じた薬を飲ませなければならないのですが、薬草屋には在庫がなく…最後に薬を飲ませたのが半月ほど前でして、何とかしてリリーブ草を手に入れたく、冒険者ギルドにお願いしたのです。あまりお金はありませんが、どうかよろしくお願いします。」


ルシアは涙を浮かべながら懇願した。


「えっと...それなんですけど、どっちかというと薬草よりかは病気を治してあげようかなぁって」

「治す...?そんなことができるのですか?色々な医者の方に診てもらいましたがどの方もお手上げだと」

「まあまあ、まずはお母さんのところに案内してください」

「は、はい。こちらです。」


ルシアの後を追って家の奥の部屋へ入った。


ベッドには苦しそうな表情を浮かべた美しい女性が横たわっていた。


「見てのとおり少しづつ様態が悪くなっているようで一刻も早く薬を飲ませてあげたいのですが本当に治せるのですか」

「まあまあ、ルシアさんは少し部屋から外してもらえますか?今から病気を治療する魔法をかけるので、一緒にいると邪魔になってしまいます。」

「わ、わかりました。母をお願いします。」


ルシアが部屋を出て行くのを確認して、女性に「エディッタ」を使用した。


----------------------------------------------------------

名前:ローズ・トルマリン


レベル:26/100


HP:340/422

MP:150/150

力:120

防御:134

速さ:20

知性:46

器用さ:50

運:8

状態:健康 呪い(黒魔法:ガイキョウ)


スキル

・火炎魔法

 火魔法より上位の魔法を扱うことが可能

・雷魔法

 雷の魔法を扱うことが可能

・ローネリア語

 ローネリア世界での標準語


編集

----------------------------------------------------------


(魔法使い的な人かな?というか病気じゃないじゃん。呪いでしかも名前にトルマリンってあるよ?なんかめんどくさそうな匂いしかしないんだが...でも治しますって言ってしまったしなぁ)


重い指をステータス欄の編集に合わせて、状態の呪いを消去する。


するとローズの苦しそうな顔はみるみると穏やかな顔になっていった。


隣の部屋で待っていたルシアを呼んだ。


「治療は終わりましたよ。こちらのクエスト書にサインと達成証明書のコインをお願いします。俺はさっさと逃げ...帰りますので、後はお二人で仲良くどうぞ...あれ?なんかお腹の調子がってことで急ぎでお願いします」

「えっ?もう終わったのですか?」


ルシアの目の前にはベッドから上半身を起こした母の姿が映った。


「お母さん!!本当に治ったのですか...?」

「ルシア...色々と迷惑をかけてすまないね...」


2人が見つめ合うと、ローズが話しかけてきた。


「あんた、本当にありがとうね。もうわかってるかもしれないが、これはのろ...」

「ああっと、そういうのいいので早くサインとコインお願いしますってば」

「ふむ、あんたがそういうのなら、ルシアサインしてあげなさい。」


ルシアにサインと達成証明書のコインをもらい家から逃げるまえに一言だけ言い残した。


「今回の件全部秘密でお願いします。俺の名前もなにかも秘密で、ではさようなら~」


ギルドまで全力疾走し、受付に向かった。


「はぁはぁ、早急に手続きをお願いします」

「は、はい。何やらお急ぎのようなんですね...」

「今回のこのクエストなんですが、もし誰かが情報を求めても全て秘密にしてください」

「何か無理やりにでもサインを書かせたなどをしたのですか?その場合は...」

「そういう訳ではないのですが...何か問題があれば関係者が来た日とは別の日にでも呼んでもらえれば、何なら報酬は1週間後でもいいのでとりあえず秘密でお願いします」

「わかりました。ではギルドより依頼主へと確認をとり問題が無ければ報酬を支払いますね」

「お願いします。確認の際はとにかく俺のことは何も言わないでくださいね...」

「では、こちらのクエストは一度保留とさせていただきます。」


そう言って、夕暮れの街へと逃げるように出ていった。


次の日、城内は大騒ぎになっていた。

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