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ランクアップの記録更新しました

「枯れたときに薄々そうなるんじゃないかと思ったけど、本当に変化するとはなぁ…」


ヒーラ草らしきものを改めて確認した。


「サイズは、最初に枯らしちゃったやつよりは小さいな。別の草に変化してもサイズは元の草に依存するのかな?」


別の草もスキルで変化させてみたが、やはりサイズは変わっていなかった。


「便利っちゃ便利だけど、やっぱりうまくはいかないスキルだなぁ。でもこれでクエストはほぼ達成したようなもんか」


そう言いながら、草を摘んでは変化させ、次元収納で保管する作業を繰り返した。



「クエストの達成報告をしたいのですが」

「えっと…何も持っていないようですが、クエスト破棄の間違いでは?新人冒険者にはヒーラ草集めは難しいみたいで…よく受ける方はいますが達成者は少ないので...」

「まさか、ちょっと今から出しますね」


受付の机に次元収納からヒーラ草と「ヒーラ草になった物」を10房取り出した。


「え?どこから出てきたんです?まさか収納スキルをお持ちなのですか?」

「便利ですよね、このスキル。おかげで荷物の容量なんて気にせずにたくさん摘んできました」

「これ以外にも採取してきたのですか?まだおやつの時間になったくらいですよ...」

「10房以上とあったのでとりあえずこれ含めてきっちり100房ありますよ」


100房あるうちの8割以上は「ヒーラ草になった物」なのは、狭霧だけの秘密である。


「100房?!そんな短時間で?群生地でも見つけたんですか?是非場所の情報をギルドに売ってくれないですか?」

「いえ、ただただ運が良かっただけなので...」


スキル無双で集めたなんて言えるわけもなく、うまくはぐらかした。


「と、とりあえず100房出していただければすべてギルドで受け取り報酬金も払わさせてもらいます。それにしても今出していただいているヒーラ草はサイズはバラバラですがどれも取れたてのようにとても新鮮で素晴らしいですね。」


どうやらヒーラ草として認められたようだ。


「ありがとうございます。で、残りの分もこちらに出せばいいですか?」

「量が量ですのでとりあえず別途ギルドを出ていただいてすぐ隣の保管庫で提出をお願いします。話はこちらから通しておきますのでそちらで報酬金も受け取ってください。また本当にすべてヒーラ草であった場合はランクアップしますのでお手数ですがその際はもう一度こちらにお越しください。」


短時間で大量に集めたため、少しは雑草が混じっているのではと疑われているらしい。




「おお、あんたか。たった数時間で大量のヒーラ草を集めたっていうホラ吹き野郎は」


筋骨隆々のいかにも冒険者なオッサンが現れた。


「嘘なんてついてないっすよ、本当に集めたんですよ...」


倉庫に入るや否や、鋭い視線を感じて思わず反射的に「エディッタ」を起動した。


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名前:バング・ハワード

レベル:63/80

HP:3812/3812

MP:320/320

力:953

防御:958

速さ:42

知性:73

器用さ:120

運:15


状態:健康(片目負傷・片足負傷)


スキル

・大剣術

 大剣での上達速度アップ

・鬼力

 力が著しく上昇及び一定時間ステータス上昇(600秒)

・ローネリア語

 ローネリア世界での標準語


編集

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強すぎる…今の自分じゃ絶対に勝てない。怪我をしているということは、引退してギルドのスタッフになったのか?


エディッタでじっくりバングのステータスを確認していると、突然彼が驚きの発言をした。


「ん?その目の動き...お前さては鑑定持ちだな。何を見れる鑑定だ?」


ステータスを見ているのがバレるとは…ただ、一部だけ見ていると勘違いしているようなので


「な、名前だけ見れるんですよ。僕のは...」

「そんなわけねぇだろ、ステータスかスキルか。それとも両方かって聞いてんだよ」


焦りが顔に出てしまい、慌てて謝った。

「す、ステータスです。すいません、つい強面な人が来たので反射的に...」

「なるほどな、ステータスの方か。それなら一応短時間で集めることも可能っちゃ可能か。それでおめぇ名前は?」

「狭霧っていいます。ええぇっと、バングさんそのぉすいません」

「サギリ許可なく鑑定はするもんじゃねぇぞ。今回は俺だったから許してやるが他の者だったら罪になったりするから今後は気ぃつけろよ」

「すいません...」

「しかし俺も鑑定を見抜けるうちはまだまだ冒険者続けたかったんだがなぁ、どうにもへましちまって負った怪我で足がなぁ...」


ここで治せるかもしれないですよ、なんて言って鑑定スキル以上なんてばれたらそりゃもう大騒ぎだろうなぁ...


「とりあえず、あるだけここにヒーラ草出しとくれや」

「はい、こちらで全てです」


次元収納から残り全部を出した。


「鑑定に続き収納スキルまで持ってんのか。こりゃ商人のおっさんどもが黙ってねぇぞ。そのうちスカウトとか来るかもな」

「それは勘弁ですかねぇ...」

「ちょっくら確認するから少し待ってくれよ」


そういって100房のヒーラ草を一つ一つ丁寧に確認し始めた。


「こりゃ驚いた。サイズはバラバラだが全てヒーラ草じゃねぇか。ちょっと待ってろ報酬金用意すっから。」


奥へ行き戻ってくると、袋に入った金貨1枚と銀貨5枚を差し出した。


「これで15000クラウンだ。ちゃんと確認しろよ」


金貨が1万、銀貨は千クラウンらしい。


「ありがとうございます」

「あと、全てヒーラ草だったからよ、もう一度ギルドの方に顔出しとくんだぞ。ランクアップするみたいだからよ」


そう言われ、ワクワクしながらギルドに戻った。



「サギリさん、ヒーラ草納品お疲れ様でした。大量納品のためランクアップが決まりました。ギルドカードを提出してください」


前回と同じ機械でギルドカードを読み取り、操作する。


「これでFランクからEランクに上がりました。このギルドで一番早い記録ですよ!おめでとうございます!」

「そうなんですね!まぁこのまま一気にランクアップしていく予定ですから記録更新し続けちゃいますよ!」


受付の女性と盛り上がり、そのまま次のクエストを探しに掲示板へ向かった。

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