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アニキ!!

(アイラさんは保管庫にいる…って場所が分からないんだよな。ローズさんは仕事中っぽいし……っていうか俺、知り合い少なくないか?)

記憶をたどるが、浮かぶ顔は限られている。

(ベルシュはどうせ知らないだろうし、ギルドマスターには会いたくないし……あ!そういえば——)


狭霧は冒険者ギルドの扉を押し開けていた。


「受付の人にでも聞いてみるか……」


そう呟いた矢先、クエスト掲示板のほうからやけに通る声が響いてきた。


「アニキーーっ!! 探しましたぜ!!」


(……朝から元気だなぁ)


筋骨隆々の男が人混みをかき分けて突っ込んでくる。

その勢いに思わず半歩引いた狭霧を前に、男は満面の笑みを浮かべた。


「アニキ! お久しぶりです!」


「えっと……どこかで会いましたっけ?」


「覚えてませんか!? アニキのおかげで、俺ラムさんとデートできたんすよ!」


「デート……? あっ、あの時の!」


「そう! 俺、タイラーって言います! アニキがレゼさんとギルドに来てたときに声かけたヤツです! あの助言、マジで助かりました! 感謝してますアニキ!!」


「いや、あの、“アニキ”呼びやめません? どう見ても僕より年上ですよね?」


「アニキぃ、そんな水くさいこと言わないでくださいよ。それより今日はクエストっすか? 俺も手伝いますぜ!」


「いやいや、今日はクエストじゃなくて……」


「敬語なんてやめてくださいよアニキ!」


「え? あ、えっと……その、バングさんって人を探してて。武器の再加工ができる職人、元の能力を失わずに加工できる人を知ってるか聞きたいなって……」


「なるほど! 任せてくださいアニキ! ちょっくら聞いてきますんで、ここでお待ちを!」


「……知らんのかい」


タイラーは胸を張って受付嬢のほうへ走っていった。数分ほど話をすると、そのまま保管庫のほうへ消えていく。

去り際、こちらに向かってなぜか謎のサムズアップをしてくる。


(まぁ……これでチャラになればいいか)


やがて、息を切らせたタイラーが戻ってきた。


「アニキ! 分かりましたぜ! 今から行くんですよね? 案内します!」


「いやいや、大丈夫ですって。タイラーさんも今日はクエストを受けに来たんですよね?」


「もちろんそうでしたけど、アニキがいるなら話は別ですぜ!それにアニキがいつここに来るか分からなかったので簡単なクエストしか受けずに待ってたんですぜ?」


「そこまで恩義を感じなくても……」


「アニキは俺の人生を変えた人ですよ! 二回もラムさんとデートできたんですよ!? この先は俺次第ですけど、あの時のアドバイスがなかったら、今も受付嬢の笑顔を拝むだけの冒険者で終わってたんですぜ?」


「お、おう……僕の知らないところでずいぶんなことになってたんですね……」


「じゃあ、行きますか! アニキ!!」





「で? 何を再加工してほしいんだ?」


「これです」

狭霧は収納スキルからハルバートを取り出す。


「アニキ!? なんすかこのバカでかい武器は!!」


「アスラダンジョンの30階にいた魔物が使ってたんですけど、見ての通りデカいので、もう少し扱いやすいサイズにと思いまして。それと、能力を失わずに加工できると聞いて……」


「おい!まさか...レリッツアイテムか。見せてみろ……ふむ、面白い素材だな。よし、任せな! それで形状は?」


「これと同じような形で——」


「それだと——」


「あれ?アニキ俺は...」


数日後。



テイネブリシーバの入り口付近。

ゴブリン討伐の依頼を受けた狭霧は、静かに立っていた。


「すまんまゴブロウ...ではないが身内みたいなもんか」


収納スキルから一本の武器を取り出す。


「よし、呪いの確認と……そうだ、名前をつけないと」

少し考えて、ぽつりと呟く。


「——【アデス】」

次回もよろしくお願いします。

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