スキルと美女はトップシークレットみたいです
2層目 晴れ
「よし、今日はこのまま行けるところまで行きますよ。次は……」
ケイネスは再び紙束を確認し、方角を確かめながら歩き出した。
道中で遭遇する魔物たちは、相変わらずフェインの弓によって瞬く間に撃退されていく。
放たれる矢はすべて的確に急所を貫き、一発の無駄もなかった。
「フェインさん、本当にすごいですね! 今のところ一発も外してないですよ!」
「いえ、今のところは弱い魔物ばかりですし、荷物も持たずに済んでいるのはサギリさんのおかげですよ。」
この1層・2層に現れるのは、狭霧が転生して初めて遭遇したゴブリンやボアボアなど、いわゆる“Fランク”と呼ばれる弱い魔物たちだった。
「そういえばフェインさんの弓、僕の知ってる弓とちょっと違いますね。木製というより……金属みたいで、すごくしなやかにしなってる」
フェインの弓は、持ち手も弦も淡く光を帯びた水色の金属で作られており、形状は和弓ではなく洋弓に近い。
弓の上部には何かを収納しているような溝がある。
「この子はちょっと特別なの。いわゆる【アーティファクト】に分類される武器ね。
普通の弓と違って、矢を使うこともできるけど――魔力を込めて弦を引くと……」
フェインが弦に手をかけ、静かに引き絞る。
すると、指先から黒い魔力が流れ込み、矢の形をした影が現れた。
「アーティファクト!?」
「そう。これ自体に魔力を通すだけなら普通の矢と同じ。でも、真骨頂は――使用者の魔法スキルを上乗せした時」
ピンと張り詰めた弦の先で、黒い矢が突如として紅蓮の炎に包まれる。
フェインは弓を構え、少し離れた場所の大岩へと狙いを定めた。
放たれた炎の矢は、一直線に岩へと飛び、轟音とともに深く突き刺さる。
岩の表面がじわりと赤く焼け焦げた。
「「お、おぉ……威力がすごいですね……」
「でしょ? でもここまで強化すると魔力効率が悪いのよ。そう何度も撃てるもんじゃないから、普段は普通の矢を使ってるの」
「か、かっこいい……。それ、ちょっと視てもいいですか?」
「見る? まぁ、見るだけなら構わないわよ。」
狭霧はエディッタを起動し、弓を解析した。
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名称:アトビュース
弓及び槍として使用可能な遠近両用変形型武器
弓形態:魔力を用いることで矢を使用せずに射撃可能。
使用者の所持スキルに呼応し、矢の属性・効果が変化する。
槍形態:魔力を刃先に纏わせ、切れ味と貫通力を上昇。
所持スキルに応じて効果変化。
効果:力+200
・弓術:達人(追加)
・槍術:達人(追加)
編集
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(おお!なんか凄い、これスキルも付与してるのか?)
「フェインさん、ちなみに……その、あなたの方も鑑定しても――」
「ダメです。」
フェインはぴしりと指を立てた。
「鑑定スキル持ちね? 目線でわかるわ。美女のプライベートを覗こうなんて、だめよ?」
「す、すみません……。」
フェインは軽く笑い、再び歩き出す。
その後も変わらぬ風景と、フェインの矢の音、そして順調な進行が続いた。
数日後
21層目 晴れ
「このあたりから、魔物も少しずつ強くなってきます。皆さん、気を引き締めて進みましょう。」
ケイネスの声に、一行は頷いて歩を進めた。
「こんな低階層で!?すぐに逃げますよ!!」
次回もよろしくお願いします。




