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お誘いありがとうございます

馬車に揺られ始めて一日目。

アスラダンジョンへの道のりは何事もなく、順調に進んでいた。


「サギリさんは、一人でダンジョン攻略をされる予定なのですよね?」


代わり映えのない風景を眺めていると、ケイネスが話しかけてきた。


「はい、そうです。ただ…やっぱり一人で挑む人は少ないんでしょうか?」


「いえ、全くいないわけではありません。ただ、深層を目指すとなれば、やはりパーティの方が魔物への対応力が高いのですよ」


「なるほど…。今はどこまで探索が進んでいるんですか?」


「確か今の情報だと――」


退屈そうにしていたララが、ここぞとばかりに口を挟んできた。


「ちょっと!私も退屈してたんだから話に混ぜて。えっとね、アスラは今60階層まで確認されてるの。で、30階と60階に強力な魔物が一体ずつ鎮座してるんだって。しかもそいつらは倒しても一定時間後に復活するらしいのよ。だから60階まで到達したパーティも、それ以上の探索は断念して帰ってきたらしいわ」


「なるほど…中ボス的な存在がいるんですね。お二人は何階まで行ったんですか?」


その言葉に、ケイネスの目が「待ってました」と言わんばかりに光った。


「いやぁ、恥ずかしながら私たちはまだ30階層に辿り着けていないのですよ。そこで!今回の目標はその30階層の魔物討伐なんです。本当はもっと奥へ行きたいのですが、どうしても食料の問題がありましてね…。


――それで、どうでしょう? サギリさん。一人で挑むおつもりなら、ぜひ我々のパーティに加わりませんか? サギリさんの収納スキルがあれば荷物の負担を大幅に減らせますし、我々はこれまでに24階層までの探索を終えていますから、その情報を共有できます。初めてのアスラ挑戦にはきっと役立つはずですよ」


(おっと、ここで勧誘か…。24階までなら迷わず行ける、ってことか)


「ちなみに、その24階層まではどのくらいで行けるんですか?」


「うーん、ララ、前回はどのくらいかかった?」


「下層階段を探しながらだったから半月ぐらい。でも今回はマップもあるから、最短なら一週間もかからないと思うわ」


(なるほど…。一層ごとのフロアがかなり広いんだな)


「だそうですよ。どうですか、サギリさん?」


「そうですね…。少し考えさせてもらってもいいですか?」


「もちろんです。アスラに着くまで、まだ時間はありますからね」


その後も雑談が続き、一日が過ぎた。


二日目


やはり三人での会話が続いていた。


話を聞くうちに、ケイネスとララは冒険者になる以前から魔物などを狩るような仕事をしていたらしい。その延長で、稼ぎになるからと冒険者登録をしたのだという。


ケイネスの武器は短剣。ララも同じく短剣。

狭霧が刀を使っていると話し、真剣創生で実物を見せると、二人は収納スキルから取り出したと勘違いして驚いていた。


三日目昼前


外を眺めていたケイネスが声を上げた。


「サギリさん、見えてきましたよ。あれがアスラダンジョンです」


狭霧が外を覗くと、遠くに巨大なピラミッドのような建造物と、その周囲にいくつかの建物が見えた。


「おお!すごい!あのピラミッドみたいなのがダンジョンですか?」


「ピラミッド、というものは分かりませんが、そうです。あれがアスラダンジョンですよ」


やがて馬車は目的地に到着した。


狭霧は馬車を降り、目の前にそびえる建造物を見上げる。

高さはおよそ百メートル。石一つ一つが馬車ほどもあり、積み上げられたその迫力に息を呑む。

入り口は最下部の中央にあり、大きく口を開けていた。


「さて、サギリさん。初日のお誘いですが――どうでしょう?」


「はい!ぜひご一緒させてください!」




数時間後


アスラダンジョン・第一層。


ピラミッドの内部とは思えない、山々が連なる広大な大地へ。

五人の冒険者が、ついにその一歩を踏み入れた。

次回もよろしくお願いします

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