森の洗礼怖いです
【目的を設定してください。設定した目的へとご案内いたします】
(設定は【ネハネコ】っと)
狭霧の目の前に、矢印が表示されたウィンドウが現れる。
【目的地までおよそ13分ほどです】
(こっちね。どうせスキルで探せるし、今回は特に魔物の情報を調べずに来たけど…ベヘモス倒せてるし簡単に行けるでしょ)
表示されるガイドに沿って、のんびりと歩き出す。
(そういえばこの辺、魔物あんまり見かけないな。薬草も色々あるし、何かがモンスター除けになってるのかな…)
――背後では、誰かが狭霧の行動を注意深く観察している。
「彼は確実にシーバビックリーグを抜け、テイネブリシーバに向かっている…あそこはDランクの魔物が棲み、森の中心にはAランクもいる危険な場所…あの異様な雰囲気に近づくなんて…」
重い足を引きずりながら、狭霧の後を付けていった。
(お、林を抜けたと思ったら、次は背の高い木々が生い茂る森か。薄暗くて、ちょっと嫌な感じだな)
ガイドに従い薄暗い森に入り、少し進むと、右奥の木々の間から何かがこちらに向かってくる音が聞こえてきた。
(ん?何か来てる)
狭霧は瞬時に少量のMPを消費し、【真剣創生】で作った刀を握る。
音の方向に刀を構え、身構えて待つと、数メートル先で音が突如止まった。
(あれ?止まった?こっちの様子を伺ってるのか?)
静寂が続く中、狭霧の刀を握る腕が上空を鋭く切り裂いた。
ブン――という鈍い音と共に、ドチャッと何かが落ちる音がし、狭霧の横には、頭と胴体が切断された黒い何かが落ちていた。
(うお!?スキルさまさまだな。いきなり襲ってきたのか…?)
確認すると、それは体長約60センチ、嘴が鋭く尖った黒いフクロウのような姿をしていた。
(怖…どうしよう、持って帰るか?)
少し考えた後、狭霧はフクロウを拾い上げ、次元収納へ収めた。
(はぁ、凄いな。これが異世界か…今までが運良かったのか、毎回こんな奇襲を仕掛けられたら敵わない。これからは常に刀を手元に置いとくか…さて、ネハネコはっと)
再度ウィンドウを確認すると、ガイドは後方を指していた。
【調査記録4 冒険者サギリはテイネブリシーバに侵入まもなく、どこからともなく剣を取り出し(収納スキルから?)、魔物に遭遇するも瞬時に撃退。戦闘能力はおおよそ…】
レゼが手に持った用紙に、少し先での出来事を記録していると、目の前に気配を感じた。顔を上げると、羽の生えた黒と白の縞模様のネコが、鋭い歯をむき出してふわふわと飛んでいた。
「ぴゃーーーーーー」
振り返ると、同時に女性の悲鳴が森に響いた。
次回もよろしくお願いします




