異世界言語理解しました
「はぁ……どこに行けばいいのか全く分からないな。……仕方ない、スキルでも作ってみるかぁ」
作っては修正を繰り返し、ようやく目的のスキルを完成させることに成功した。
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富士狭霧
スキル
・エディッタ
あらゆる物のステータス可視化、ステータス・スキル・状態の編集が可能
※このスキルは編集不可能
・シンクガイド(NEW)
設定した目的へと案内してくれる
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「なかなか思い通りにスッと完成しないもんだなぁ...
簡単に【案内】で、できるかと思ったのにまさか効果が【案内する】だけの使えないスキルになるとは...難しいなぁ...
まぁまた色々考えながらスキル作るかぁ...とりあえず街に行かないと」
スキルを発動すると、頭の中に機械的なアナウンスが響く。
[目的を設定してください。設定した目的へご案内いたします]
「おお!すごいな。では早速……」
頭の中で【一番近くの街】と設定すると、半透明のウィンドウが現れ、矢印が表示された。
[目的地まで徒歩でおよそ4時間と26分になります。]
「これって、今の俺の移動速度を考慮してるのか?
それとも一般的な徒歩速度基準か?
前者だと結構遠そうだなぁ...とりあえず体力の続く限り走ってみるか...」
走り始めて1時間ほどで森を抜け、舗装された道が見えてきた。
「おお!道がある!ってことは街も近いな。なんとか夕暮れまでに着きたいな」
矢印に従って走り出そうとしたその時、さっき抜けてきた森から叫び声が。
「HDHYPOW!!!HDHYPOW!!」
「またモンスターか?」
振り返ると、一人の青年が必死に走ってきており、その後ろを猪のような魔物が2体追いかけていた。
「HUE!HDHYPOW?DHUDDI、JEIIEKKN」
「……何言ってんだ?さっぱり分からないぞ?
とりあえず助けてほしそうな雰囲気であるのはわかったぞ、
しかし俺にはまだ攻撃スキルがないんだが純粋な力で勝てるのか...?
とりあえずステータスチェックだな」
俺は後ろの猪に「エディッタ」を使用した。
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名前:イノたん
レベル:5/15
HP:17/17
MP:2/2
力:16
防御:5
速さ:17
知性:2
器用さ:2
運:2
状態:興奮
スキル
・突進力アップ
突撃攻撃に力・速さに補正が入る。
編集
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「イノたんって名前だけ可愛いな...
ステータスをいじる暇はなさそうだから、とりあえずスキルだけ消すか」
2体の猪から「突進力アップ」を削除すると、走る速度がわずかに落ちた。
「これなら殴れば何とかなるか……頼むぞ」
こちらに走ってくる青年と猪の間に割り込み、勢いに合わせて両手でカウンター気味に殴る。
「BTUOMOOOOO...」
「BTOMOMMOOOOO...」
殴られた猪は横へ吹っ飛び、そのまま動かなくなった。
「やっ...あぶな、フラグ立ちそうになったじゃねぇか。ついつい言いそうになる言葉一位だな...」
「DUJSII!SJJSISKS?UREJSNEYSI!!」
「ちょ、ちょっと待って……ぷ、ぷりーず、うぇいと?」
目の前の青年にすぐさま「エディッタ」を使用する。
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名前:ベルシュ・ベルベット
レベル:3/50
HP:16/25
MP:26/26
力:7(+5)
防御:7
速さ:8
知性:19
器用さ:8
運:2
状態:緊張
武器:短剣(力+5)
スキル
・短剣術
短剣での上達速度アップ
・隠密術
気配を薄くすることが可能
・ローネリア語
ローネリア世界での標準語
編集
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「ふむ、ローネリアですか...とりあえず俺にもこれを手に入れれば理解できるのかな...コピーして貼り付けっと」
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富士狭霧
スキル
・エディッタ
あらゆる物のステータス可視化、ステータス・スキル・状態の編集が可能
このスキルは編集不可能
・シンクガイド
設定した目的へと案内してくれる
・ローネリア語(NEW)
ローネリア世界での標準語
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「あのー? すみませーん、ぼーっとしてますけど大丈夫ですか?」
「おお!わかる!分かるぞ!!」
「えl!?どうしたんですか、いきなりおっきな声出して...先程は助けていただいてありがとうございます!!」
「お?おう、何か助けないといけそう雰囲気だったしなぁ、無視しても追いかけてきたでしょ、あの感じ」
「え、えぇまぁ死にたくなかったですし...で、あのボアボアの素材は回収しないんですか?」
「素材?毛皮とか肉とか?」
「そうですよ!それと魔物の魔結晶もですよ!こちらもクエストでの納品対象なんですよ!」
「魔結晶?クエスト?もしかして冒険者ギルドとかあったりする?」
「当たり前じゃないですか、なに言ってるんですか。あ、遅くなりましたが僕はベルシュって言います。D級冒険者です!」
「俺は、狭霧って言うから、よろしく、あの猪はベルシュにあげるよ。クエスト?受けたんでしょ」
「いいんですか!?助かります!!またボアボアに追いかけられるのこりごりですからねぇ」
「代わりにベルシュの街を案内と泊まれる場所をなんとかしてくれないか?」
「それくらいお安い御用ですよ! 小さい家ですが、それでよければ...」
「それでも助かるよ!てことで素材回収してベルシュの街に行こうぜ!」
「はい!そうしましょ!」
ベルシュは手際よくボアボアから素材と魔結晶を回収し、狭霧と共に街へ向かって歩き始めた。