新たな可能性があるみたいです。
目の前のウィンドウに驚いていると、ガレスは続けた。
「な?ちゃんと追加されただろ?それが【精励スキル】ってやつだ。生まれつき持っているスキルを【天稟スキル】って呼ぶんだ。ちなみに、天稟スキルを持たずに生まれる者もごく稀にいる。まぁ、たまたま神様にでも嫌われちまったのかもしれないが、この精励スキルのおかげで努力すればなんとでもなる。神様も平等にしてくれてるのかもな?」
(神様かぁ…あんな感じだもんなぁ…)
ウィンドウに表記されているスキルを編集しようか迷っていると、一つ疑問に思った。
「しかし、覚えられるのは格闘スキルだけなのか?魔法などのスキルは習得できるのか?」
「もちろん可能だぞ。ただし、魔法は剣や槍のように体を動かして覚えるものとは違う。意識や感覚、イメージが大事だからな。覚えるのは格段に難しい。一つ覚えるだけでやっとだ。格闘スキルなら、努力次第で幅広く習得できる。まぁ、一つのことに秀でているほうがやはりいいだろ?逆に魔法は可能なら多く覚えたほうがいいが、まぁそんなことできる奴なんて…おっと、噂をすればってやつだ」
訓練所の入り口から足音が聞こえてくる
「お!やってるねぇ。ガレス、そこの剣士さんに例の剣技でも教えてもらえたかい?」
「いや、難しいな。フジの剣技は天稟スキルだから、感覚でしかなく説明できねぇってよ。だから説明できるように色々教えてたところさ。ちょうど第一段階が終わったところだぜ。で、本はあったのか?」
(ん?第一段階?)
「それがね、無いんだよね。ラリアンも知らないってんだからお手上げさ。そんな本、存在しないってね」
ローズは首を振りながら、お手上げのポーズをとった。
「そうか、進展なしか。不思議なこともあるな。なんならその本は夢の中で見たものじゃねぇのか?どちらにせよもう夕方だ。今日は解散だな。刺激的な一日だったぜ。また頼むぜ、フジ」
ガレスはそう言うと、背を向け片手を振りながら帰っていった。
「えらく気に入られたな。それに、その姿の時はフジって名乗ってるのかい?私が居ない間にも面白そうなことがあったみたいだね。帰りながら色々話そうじゃないか」
狭霧は帰って行くローズを追いかけ、気になったことを尋ねた。
「さっき、ガレスさんに魔法の精励スキルは習得が大変だと聞きました。ローズさんは複数個の精励スキルを持っているのですか?」
「もちろん!私は天才だからな。今は【炎】と【雷】を習得している。あれらは簡単だ。火は何かを燃やせば簡単にイメージできるし、雷は嵐の日に落雷を見て感じればいい。次は【水】を覚えたいな。そうすれば【氷】も覚えやすくなるからな!」
(落雷を感じる?打たれたのか?)
「でもね、水は難しいのだよ。感じても痛みはないし、水の性質の原理もよく分からない。だからイメージも湧かない。魔導書も色々読んでいるけどね…!!いいこと思いついたぞ。あんた、一度私に水魔法を付与してくれ。それで一回使用した後に消してくれていい。感覚が欲しいのだ!ね?ね?いいだろ?」
「それはずるくないですか?そもそも僕がいないとできないですし…」
「そんなこと言わないでさ?ね?一回だけ」
ローズは両手を合わせ、神にお願いするかのようなポーズをとった。
(なんだかんだ色々お世話になってるし...一回だけならいいか...)
「わかりました。一回だけですよ?」
「よっしゃ!!ありがとう!狭霧!!」
喜びのあまり、ローズは狭霧に抱き着いた。
次回もよろしくお願いします




