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拷問はするんですね

「で、君名前は?」


城の取調室に入るや否や、ローズは机越しに鋭い視線を送った。

対面の男は、両手を膝の上で握りしめ、ただ黙って俯いていた。


「はぁ、君が何も言わないのならこのまま拷問になるのだけどそれでもいいのかい?」


低く抑えた声が、空気を震わせる。

「い、嫌です...」

「ならば、大人しく話してくれるかなぁ...」


しかし男は頑なに口を閉ざす。ローズの眉間に皺が寄った。

「あんたからも何か言ってくれないか...」


突然、ローズは隣の狭霧に振る。

「話さないのだったらもう諦めて拷問するかカツ丼でも出してみるかですねぇ...」

「カツドン?なんだそれは?新手の拷問器具か?」


ローズが首を傾げた瞬間、男の肩がぴくりと動いた。

「カツ丼...食べたいなぁ...?!君!もしかして日本人か?!」

「ん?そうだけど...?!えっ?あなたも?!」


まさかの転生者同士。

(そういえばあの時、俺の事を見て侍と認識したの彼が初めてだったな...)


「同じ転生者のよしみでこの状況を何とかしてくれないか?」

「いや、そうは言ってもなぁ、あの悪魔さん召喚したんでしょぉ...無理無理、俺の立場この世界じゃ皆無だし...」

「しかし、あの糞団長ローズと仲良く話していたではないか」

「ん?ローズさんのこと知ってんの?」


男は急に口を閉ざした。


「お前たちさっきから突然何語で話しているのだ?知り合いなのか?」


いつの間にか日本語になっていたらしい。


「いやぁ、たまたま俺と同じ生まれ故郷だったみたいで...」

「それにしては聞いたことも無いような発音だったぞ?」

「ここから物凄く遠い場所ですから聞いたことが無いのかもしれないですねぇ...」


(この人も転生者ってことは何かチートスキル持ってるってことだよなぁ...)


狭霧はこっそりエディットを起動。表示されたステータスを見て、思わず眉をひそめた。


----------------------------------------------------------

名前:池田黒峰

レベル:23/999 

HP:563/563 

MP:2500/2500

力:121

防御:156

速さ:31

知性:723

器用さ:423

運:33


状態:健康


スキル

・暗黒魔法:呪い特化

  闇魔法より上位の魔法を扱うことが可能

  及びあらゆる呪いを与えることが可能

・召喚術:悪魔

  悪魔との契約・召喚が可能

・死霊術:交信

  この地を離れた魂と会話が可能

・転生術

  スキル所持者が死亡すると死を無効化し蘇る

  スキルが発動するとクールダウンが発生

  クールダウン中はスキルは発動しない


編集

----------------------------------------------------------


(何だこれ、物騒なスキルばっかだなぁ、上二つ消しとくか)


指先を軽く動かすと、スキル欄から危険な項目がスッと消える。


「あのぉ、ローズさんこの人故郷の言語だと話すしやすいみたいなのでそっちで会話してみますね。後で内容を僕の尋問の時に一緒に話すので...」

「そういうことなら別に構わないが、あとでしっかりとカツドンについても聞くからな」

「は、はぁ...」


狭霧は椅子を引き寄せ、男と向き合った。


「さて、日本語で話そうではないか。黒峰君?」

「?!名前を?鑑定持ちか君は...」

「まぁまぁ。その辺は置いといてね。俺は狭霧。今回は二つ、聞きたいことがある。

一つ、なぜあの悪魔を召喚したのか? 二つ、ローズに呪いをかけたのは君だよね?」

「...」

「無理やりスキルで答えさせてもいいんだよ? ニコニコ」

「...ッ!分かったよ...答えるよ」


黒峰は観念したように口を開いた。

その声には諦めの色が滲む。


「ローズには養子がいて、それがルシアちゃん。俺は彼女に一目惚れしたけど、ローズ家は貴族。平民の俺じゃそう簡単には近づけないと思い、ローズを病死に見せかけ、ルシアちゃんを貴族籍から外そうと呪いを――」


(うわぁ、めんどくせぇ、こいつ)


「けど、誰かがあの、呪いを解いたんだ。僕の全力でかけたあの呪いを...」


(すいません、それ俺です)


「それで次の手を。そもそも王国を潰してルシアちゃんを攫おうって」

「なるほどね、それであの悪魔をね、でも悪魔が言うことを聞かなくてああなったと」

「そうだ...君も僕のために協力してくれないか?」

「いやいや、めんどくさいし、俺何かとここ気に入ってるから嫌だよ、てか王国潰すって反逆罪じゃね?大罪でしょ...知らんけど」


黒峰は肩をすくめたが、次の瞬間、顔色を変えた。


「そうか...じゃぁ仕方ないね。まずは君から殺さないと成功しそうにないから悪いけどここで死んでもらうね...あれ?」

「もしかしてスキル使おうとした?無駄無駄、もう消してるから使えないよ? ニコニコ」

「はぁ?消した?そんな...そんなはずがぁ....」


(まぁ、もう全てわかったしいいかぁ)


不思議そうな顔をしているローズへと向き直る。


「ローズさん、一通りわかったので、もう彼ずっと牢獄にでも閉じ込めてたらいいですよ。因みに呪いの犯人も彼みたいですし、指名依頼も同時に完了ですね!じゃ、俺はギルドに行って報酬をもらって来ますね!!」


だが出口に向かう前に、首根っこを掴まれた。

振り向くと、ローズの口元にはにやけとも笑みともつかない表情が浮かんでいる。


「逃がさないよ。...ほう、彼がねぇ...まぁでも今はあんたについて知りたいことが沢山あるからとりあえず彼は牢獄にでも放りこんで後でじっくり拷問しますか」


(あっ、拷問はするんですね...)


「じゃ、次はあんたの番だね。そこに座りな」

「え?ここでするんですか?別の場所にしましょうよ、俺なんもしてないじゃないですかぁ...」

「なら、私の家でじっっっくりお話しましょうか。 ニコニコ」


そのまま、親猫に首を咥えられた子猫のように、ローズの家へ連行された。

次回もよろしくお願いします

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