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異世界ほんわか転生  作者: 木村刑事
第1章
4/6

異世界生活開始

再会を果たした俺と美咲は草原を二人で歩いていた。


「ところで先輩、ここはどこなんですか?」

「あぁ此処はグレンガルっていう世界だ。」


俺はこの世界が剣と魔法の世界であるこがとを美咲に説明した。


「なるほど本当に異世界に転生したんですね。」

「まぁな。しかし…一体いつまでこの草原は続くんだ?」


そう、俺たちは再会してからかれこれ3時間ほど歩きっぱなしなのである。


「そろそろ、休憩にするか。」

「そうですね。」


俺は、ディーテからもらったマジックボックスを開けた。


「先輩、それなんですか?」

「これはな、マジックボックスって言っていろんなものを大量に入れることができる。」


俺は、美咲にマジックボックスの説明をしながら、食料を思い浮かべた。


「おー、食料ってのがどんなか気になったが、案外普通の白パンと干し肉だな。」


俺は、漫画でしか見たことのないような物を現実で見れて、少し感動していた。


「早速、食べてみるか」

「はい!」


俺と美咲は、まず白パンにかぶりついた。


「ほぉ、これは…」

「なかなかいけますね」


俺も美咲もパンには特に何もつけていないのだが、ちょうどいい感じの塩味が効いていてとても美味しい。


「干し肉の方も少し食べて見ましょうか。」

「そうだな。少ししょっぱいかもしれないから少しだけにしとくか。」

「そうですね。」


俺と美咲は干し肉を半分こして食べた。


「干し肉も悪くないな。」

「そうですね〜味は、ビーフジャーキーに近いでしょうか?」

「そうだな。これは酒が飲みたくなる。」


俺はふととあることに気が付いた。


「おい美咲、、見てみろよ。馬車が見えるぞ。」

「ホントですか!?」


俺と美咲は食べていた干し肉を口に押し込み馬車のもとまで走っていった。


「すみませーん。」


俺は、馬車に向かって声をかけた。


「んー、誰だ?」


馬車の御者台から男性の声が聞こえてきたので俺たちは馬車の前に移動した。


「すみません。急に呼び止めてしまって。」

「いいんだよ別に。変わった服装だな。ところで何の用だい?」


俺は今気づいたが美咲も俺もスーツのままだった。


「少したずねたいんだがここから人が住んでいる所まで行くにははどれくらいかかりますか?」

「人里はここから歩いていくと3日はかかるぞ」

「なっ!そんなにかかるんですか!?」


俺はいくら離れていたとしても、せいぜい10キロほどだと思っていた。


「兄ちゃんたちここら辺の人間じゃないのか?」

「俺たちは…その…」

「…まぁ無理に言うこともない。ここら辺の人間じゃないっていうのだけはよくわかったから。」

「すみません…」


俺がしょんぼりしていると御者のおじさんはこんな提案してきた。


「金は持ってるか?持ってるなら安い値段で街まで行く予定だから連れてってやるよ。」

「マジですか」

「そのまじって意味が分からないがそうだな…二人だから200ゲイルでいいよ。」


俺はその聞きなれない言葉を聞いて思わず聞き返してしまった。


「ゲイル?…何ですかゲイルって」

「なっ!お前さんこの国の通貨も知らないのか!?」


しまった。

ゲイルってのはこの国のお金の単位だったのか。

俺は慌てて訂正した。


「すみません。そうですよね、うっかりしてました。何分ここまで来るのに商店なんてなかったもので。」

「そうか…普通忘れないと思うが、うっかり者なら仕方ないのか?」


俺は何とかうっかり者という称号を付けられてしまったが、自分のミスなので仕方なしと心の中で反省した。


「本題に戻りましょう。それじゃあ町までお願いします。」

「おうよ、任せときな。」


俺は、金を取り出し親父さんに渡した。(ちなみに金をマジックボックスから出したとき親父さんがものすごくびっくりしていた。)


「なぁ、それどこで手に入れた!」

「このマジックボックスのことですか?」

「そうだ!そんなもの…」


俺は少し考えてから先ほどのようなことがあってはいけないのでなんか家にあったから持ってきたと答えた。


「なんか家にあったからって…」


俺は親父さんにマジックボックスの価値についてたずねてみた。


「いいか、マジックボックスってのはな俺みたいな行商の人間からすると喉から手が出るほど欲しいものなんだ。」

「それはやはり、荷物をより軽くたくさん積めるからですか?」

「それもあるが、マジックボックスを持っているとなそれなりの行商人として扱ってもらえるんだよ。」


なるほど。

マジックボックスは実用性もある一種のステータスみたいなものなのだろう。


「それと、今は俺しかいないからいいけどあまり人前でそれ見せるなよ。マジックボックスのサイズにもよるが小さいものでも100万ゲイルはくだらないからな。」

「わかりました。気を付けます。」


俺は親父さんからの忠告を聞き改めてここはそういう世界なのだと自覚した。


「そういえば、名前を名乗ってなかったな。俺の名前はゼフ。さっきも言ったが行商人をしている。一応冒険者でもある。」


ゼフは手短に自己紹介をしてくれた。


「俺は圭司です。特に何かをしているってわけではないんですが一応魔法使いです。あと、あっちで馬と戯れているのが美咲といいます。あいつは俺の付き人みたいなものです。」


そうなのだ。

美咲は先ほどから一切会話に参加せずに馬とずっと戯れていた。

学生の頃から動物によく好かれてはいたがこの異世界でも好かれることが分かった。


「魔法使いとな!いやー珍しい人に会ったもんだ。まだ魔法が使える人がこんなところにいたとは。」


俺はここでおかしな発言を聞いた。」


「『まだ魔法が使える人』?」

「魔法が使える人間は最近ではほとんど見なくなったからな。エルフとかのほかの種族は使えるんだが人間の魔法使いはどんどん減ってる。」

「それ、俺狙われたりしませんか?」

「魔法使いに攻撃したりするようなバカそうそういねぇよ。」


俺はゼフの言葉を聞いて少しホッとした。


「さあ、そろそろ出発するぞ。早く進まないと夜になっちまう。」


ゼフはそういうと荷台を開けてスペースを作ってくれた。


「おーい。美咲!出発するから戻ってこい!」

「了解でーす!」


美咲は俺に呼ばれるとポニーテールを揺らしながら走ってきた。

「…ワンコみたいって言ったら怒るかな。」

「圭司…それはさすがに言ったら怒ると思うぞ。」


--------------------


俺と美咲は馬車に揺られながら今後について話し合っていた。


「先輩、ディーテさんからもらったお金っていくらくらい入っていたんですか?」

「そういえばまだ確認してないな。」


俺はマジックボックスに手を入れてお金を取り出した。


「…なんかものすごい量が出てくるんだけど。」

「…全く止まりませんね。」


俺たちの目の前には、お金の山ができつつあった。


「これ、最高額の金貨なんだが…」


そう、俺は今最高額の硬貨を出しているのだが、一向に止まる気配がない。


「先輩、そろそろいいんじゃないですか?」

「そうだな…超大量にお金があるって考えでいいんだろう。」


これだけ金があれば一生金に困ることはないだろう。

しかし、ディーテは加減ってもんを知らんのかって思う。


「これだけあれば、街に着いたら手ごろな家でも探すか?」

「うーん、この国の家がどんな家なのかまだわからないので購入するのはよく考えてからのほうがいいのでは?」

「あー、確かにそこまで考えてなかった。」


そのとおりだ。


「じゃあ、土地でも買って家を建てるか?」

「いいですね!」

「俺の魔法がどんなもんか気にもなるしな。」

「ひょっとしたら、魔法で家も建てられるかもしれませんしね。」


俺たちは街へ着いたらまず宿へ行って部屋をとった後に街を見つつ不動産に行く予定をたてていた。

そんなことをしていたら御者台のほうから声が聞こえてきた。


「なんだ、土地が欲しいなら冒険者ギルドに行ってみな。そこなら手ごろな土地も売っている。冒険者登録をすれば面倒な書類とかも書かなくて済むしな。」

「ありがとうございます。じゃあ町に着いたら冒険者ギルドに行ってみます。」

「冒険者ギルドに登録しておけば門の通行料もかからんし、身分証明もできるから便利だぞ。」


冒険者になっておけば色々便利そうなのでこれも登録することにした。


「今日はどこかの陰で一泊して明日の夜に到着する予定だ。」

「わかりました。ところで気になっていたのですが、護衛をしてくれる冒険者とかっていないんですか?」


俺がそんな質問をするとゼフはこう答えた。


「いや、ここにいるだろ冒険者は。」


そうしてゼフは自分自身を指さした。

そういえば冒険者もやっていると言っていたことを思い出した。


「へ~、お強いんですね。」

「いや、強いだなんて私はそんな強くないですよ。けど自分自身の荷物くらいなら守れます。」


自分の荷物といってもほとんど馬車の中の中の荷物はゼフのものなので馬車一大くらいなら守ることができるようだ。


「十分お強いじゃないですか。」

「いやいや、魔法使いの圭司のほうが強いだろ。」


俺たちはくだらない言い争いをしながら野営ができそうな場所を探す。


「先輩、あそこなんてどうですか?」


美咲からそんな声が聞こえ、美咲が指差している方を見るといい感じの洞窟があった。


「たしかにあそこなら良さそうだな」


ゼフも同意したためその日のキャンプ地は洞窟になった。


「今日は早めに寝て明日早くから出発するか。」

「そうですね。その方が早く着きそうだ。」


俺たちは、夕食はパンを一つ食べて早々に眠りについた。


少し遅れてすみません。


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