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ブラックスカイ  作者: 魚砂漠
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生贄の冒険者達

ちょっと長くして見たお

 情報提供者、もとい冒険者の記憶を見たところ新たなことが数多くわかった。その中でも宇宙が一番驚いたのは魔法という存在だろう。

 

 宇宙があの冒険者の記憶を見たというのは彼から情報を聞いたわけではない。宇宙が他の民間人の頭を能力によって()()()のとも違う、宇宙は彼の記憶を()()()()()のだ。


 そして宇宙は薄暗い路地を出て行き先を変えることにした。


 宇宙がやろうとしていたのはこの世界の経歴を知ること、そのために街に一つしかない図書館に向かっていた。だがそれは今問題ではなくなった、魔法という宇宙がいた世界にはない存在を確かめるために宇宙は部屋に戻りあの冒険者の記憶にあった簡単な魔法を『発動』させる。

 

 発動させるには手を前方にかざし魔法式というものを頭の中で構成させその結果を連想させる。すると宇宙の指さきにロウソクに火をつけたような小さな火が現れた。


「なるほどな、魔法はこの世界の空気中に存在されるとされるマナによって発動される。あの記憶通りだ…それにあいつの記憶から情報収集にはやはり冒険者がこの国では集めやすいらしいからな」


 方針は決まった、宇宙は今日はもう暗くなっている空を見て二度目外出を無しにし部屋にこもる。だが今は状況が状況だ朝まで悠長に待つわけにはいかない。


 宇宙は瞬間移動の能力を使い昼中に行く予定であったこの街唯一の図書館に移動した。


 本来ならここに入れるのは一部の冒険者、そして貴族などらしい。だが、図書館は十六時に閉まる。現在時刻二十一時朝まではたっぷりある。


 宇宙はサイコキネシスの能力を使い本棚にある本十五冊ほど取り出す。そして一度に十五冊をもの本をサイコキネシス開くそれも視界外でだ、その本達の中身は映像のように宇宙の頭の中に流れ込んでくる。それは複数の監視カメラを操作室で悠長に見ているような光景だ。


「なるほど、なるほどな…」


 しかし人は十五もある監視カメラの情報を全て把握できるだろうか、それは常人には難しいだろう。だがそれは常人の話で宇宙はその監視カメラが百あろうが千であろうが関係はないのだ。それを全て理解した宇宙は、この夜中にこの世界の子供も知っていることからあまり触れられていないことまでを知ることができた。


 時間は過ぎ朝になった。宇宙が読んだ本の数は軽く二百を上回ることは確かだ。その後図書館の開園される前に来た時と同じように瞬間移動で借り部屋に戻り八時ごろ再び部屋を出た。


 冒険者になるためのは冒険者ギルドの本部に冒険者登録をして冒険者になるようだ。登録には最低限の情報だけを入力するだけでよく名前、希望する役割、その他の簡単な質問を答えると冒険者登録が完了するのだ。


 宇宙は名前の欄に自分の名前ではなくこの世界の字でコウメイという名前で登録をした。冒険者には偽名の冒険者も多くいるらしい。


 登録を終えると受付から希望した役割に合わせた武器が貰える。宇宙が希望したのは数あるうちの剣士という役割だ、そのために武器はロングソードと革の防具宇宙が配布された。


 冒険者登録を終えた宇宙は、次に冒険者の本職であるクエストを探すことになった。


「すまないが、ここで受けられる初心者向けのクエストはあるか?」


 宇宙はクエストを受けるための窓口にいる従業員にクエストのススメを聞くと、


「あっ、はい申し訳ありません。

今出ているクエストであなた様が受けれるほどのクエストは入っていません」


 そうですかと宇宙が呟くと話していた従業員が少し眉を寄せ困ったような顔をする。すると後ろからドスッ、ドスッ、とでかい足音が近づいてくるのがわかった。


「よおぉにいちゃん

受けるクエストがねぇなら俺のとこにこねぇか?

ちょうどもう一人探してたんだよなぁ」


その声の主は宇宙に自分たちのクエストに参加しないかと宇宙に勧めてきた。その容姿は宇宙よりも背が高く左肩に剣と盾の入れ墨がある。


 後ろに目を向けると宇宙と同じギルドから配布される初期装備の冒険者が四人、宇宙に話しかけきた大柄の男と同じような容姿をした男が三人、宇宙最初は乗るか迷ったのち宇宙は


「わかったよ、頼みたい

それでどんなクエストに行くんだ?」


「お、おぉちょっといったところにゴブリンの集団が出たみたいでなその討伐と採取って感じだな」


 宇宙の答えに即答するように男はクエストの内容を話した。その男は今日にでも討伐に行きたいらしく他の冒険者たちと一緒にギルド本部前に準備した馬車に乗ってゴブリンの群れ討伐にいくことを決めた。



 馬車の荷台に七人馬車を運転する男の仲間が一人荷台は七人がちょうど入る感じで見た感じはぎゅうぎゅうに詰めたようになっている。


 その中で宇宙を含めた初心者であろう冒険者が男達からの質問漬けになっていた。


「それでお前らはどうして冒険者なんて始めたんだぁ?」


 男は宇宙たちを試すような口振りでそんな質問をしてきた。さっきまで積極的に質問に答えていた宇宙以外の初心者冒険者たちがそわそわしていて誰も喋りそうにはなかった。


(さっきの質問はペラペラと答えてたくせにな…)


「ぼくが冒険者になった理由は金ですよ、皆さんもそうなんじゃないですか?」


 宇宙が初心者冒険者たちに問いかけるように答える。それを聞いていた初心者冒険者と大柄な男たちは口を開いてポカンとしていた。

 ハッと一人の大柄な男が我に返る。


「そうかそうか、ならお前にはこの職を生きているだけの力がある。それかお前にはそれくらい人生を追い詰められてるってわけだ!」


 すると男はガハハと笑いだしそれに便乗するようにもう一人の男も笑う、初心者冒険者たちは苦笑を浮かべている。宇宙はそれに柔らかい愛想笑いをする。


 すると突然ガタンッと荷台が揺れる。馬車が目的地に着いたのだ、それと同時に初心者冒険者たちに不安の顔になる。

 当然宇宙を含めるが初心者冒険者はモンスターと戦うことすらない一般人もいる。一方、大柄の男達は余裕の顔が見てとれる。


「よーし、俺らは右の森を調べるお前らは左の森を調べてくれ」

「す、少しまってください!」


 大柄の男が指示を出すと初心者冒険者の一人が口を開いた。


「なんだ?」

「僕らはまだ初心者で探索の仕方も索敵も魔法も使えません」

「だから?」

「えっ?」

「だからなんだ?

冒険者はモンスターと戦う以上命を賭ける職業だ

それをそんな理由で甘えていいほどあまい職じゃあねんだ」


 辺りに沈黙が広まる。初心者冒険者たちは下を向いている。きっとこの男たちときたのは間違いだったと悔いていることだろう。だが、男の言い分も一理ある、だから間違った彼は何も言い返せない。だが、


「ガハハハッまあそうへこむなよ、それに半分くらいは冗談だしな!」


この沈黙を破ったのは初心者を突き放した大柄の男だった。またも意外なことが起き一同は混乱の渦に巻き込まれる。


「命をかけろってのは死なないように頑張れってことだよ

それに降りた時俺の隣のやつはこの森の索敵をすでに終わらせていた、それでお前らは数が少ない方に決めたんだ」


「ッ!?…」


 へこんでいた彼の顔がみるみる青ざめていく、すると彼は勢いよく頭を下げた。


「すみませんでした!

自分はまだ初心者ということにあまえていたことを許してほしい」

「ガハハハいいってことよぉ!

ただし少ないと言っても弱いわけじゃない一匹づつ丁寧に対処していけ!」

「「はい!」」


 宇宙以外の初心者冒険者たちがいっせいに返事をする。その後宇宙たちと大柄の男たちは別れ男たちに言われた左に進んだ。


 森に入ると今まで馬車で通ってきた荒野と打って変わり木々が生い茂っている。中には五十メートルにも及ぶものもある。突き進んでいくとゴブリンらしき生物を前方数十メートルに見つけた。


「前方ゴブリンらしき生物を発見」

「了解!

どうしましょう?」

「奇襲しますか?」


 宇宙がゴブリンを報告すると初心者冒険者たちはどうするのか相談し始めるが宇宙はいたって冷静だ。


(ゴブリンの情報はほとんど把握している問題なのはもう一匹か…)


「ぼくが行こうそこの君は弓矢を構えて援護できる状態にほかの人たちは周りを警戒しつつゴブリンの方にゆっくり前進してくれ」


 それだけ言うと宇宙は隠れていた茂みから飛び出してゴブリンの方に全力で走るすぐにゴブリンはすぐにきずき戦闘態勢に入るが…


(遅い!)


 ゴブリンが持っている短剣めがけロングソードを下から上に振り上げる。ゴブリンは短剣とともに腕が上がり体無防備になる。


「今だ!矢を放て!」


 ハッ!と呆然としていたアーチャーはとっさに矢を構え直し放つ。その矢はゴブリンの胸部に的中、心臓部を串刺しにした。


「よし!」


 ゴブリンの討伐はすぐに終わり、すぐ近くに違うモンスターがいるわけもない、初心者冒険者たちは歓喜に満ちていた。

 だがその喜びはどうしようもない絶望へと変貌する。

 ズシン、ズシン、と巨大な足音がゆっくりと近ずいて来るのにその場の全員はすぐにきずいた。


「なんだこの足音?」

「…ッ⁉︎

あれは…まさか…嘘だろッ!」


 一人がその足音の正体にきずいた。それは、トカゲのような体背中には小さいがコウモリのような羽…間違えるはずがないと、誰もが思った。


「ドラゴン…」


 誰かが呟いた。それは誰もが思っていることで初心者冒険者が会ってはならない生物だった。


「…ヒッ!」

「う…うわァァァァァァァァ」

「クッソなんでこんなのが居るだよぉぉぉ」


 その場の全員が一斉に逃げ出した。逃げれはずがないのにと、馬車があったとこまで全力で、そして宇宙以外の二人が馬車があったとされるとこまでついた。だが、もう一人は森から帰って来ることはなかった。


 ドラゴンは森からは出てこない。いなくなった一人を捕食している頃だろう。だが、初心者冒険者たちに次の絶望が襲いかかる。


「なんで…馬車が無い?」


辺りを見回すとその答えがあった。百メートルほど先、笑いながら馬車に乗っているあの冒険者たちが見えた。


「あ…あァァァァ⁉︎」

「そんな…バカだろ

うわァァァァァァァァ⁉︎」


 ズシンと後ろから絶望の音が聞こえる。残った二人が涙と鼻水で顔をぐしゃぐしゃにしながら後ろを振り返る。二人を見ているドラゴンはどこか楽しそうに見えた。


 そして初心者冒険者三人は爪の餌食ベテランたちは馬車で逃げた。残った宇宙はドラゴンと戦い勝つという結果になった。


(っていうのがあって今に至るわけだけどこれからどうするか…)


 振り返りが終わった宇宙はドラゴンの上で考える。何をすべきか、宇宙は黙々と考えつずけた。

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