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ブラックスカイ  作者: 魚砂漠
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財布と情報

 宇宙は老人が言っていたフォールと言う街に来ていた。

 建造物の類は木材やレンガの建築が多く見られ、多くの出店が見られる。見えるだけでも二十はあるだろう。


 宇宙が能力を使い住民たちの頭の中を覗いたところこの世界での通貨は日本円でもなければユーロでもない地球上には存在しない通貨だ。

 出店の商品は食料品から布、棉類まで多種多様な商品が並んでる。が、宇宙にはこの世界の通貨を持っている訳ではなく知識も休めるところもない。


(本来休む必要もないがそう言ったところは確保していた方が良いだろう)



 そうこうしているうちに夜になった、現在宇宙のいる場所は六畳ほどの広さの部屋にいた。

 ここは木でできた古い宿だ、部屋の中には一人用のベットと簡素な机と椅子そして掛け時計が壁に掛けてある。


 この世界の通貨を持っていなかった宇宙がなぜ宿にいるのか、端的にいうと宇宙はスリをしたのだ。


「いくらスったとはいえここにとどまっていれば時期になくなる」


 この世界の通貨は金、銀、銅の順に価値が別れそして今、宇宙の財布には金貨二枚、銀貨十一枚、銅貨十二枚がある。


「この宿が一泊銀貨二枚か銅貨十枚か…」


(この世界のことももう少し知らなければいけないし…明日はもう少し回ってこの世界のことと資金源になる仕事も探さないといけない)


 本来必要としない睡眠をとるため宇宙はベットに横になる。あのビルの時のように飛び降りなくとも宇宙は寝ることができるが維持することが難しく不完全なものになってしまう。しかしその日はそんなことはなく普通に寝れた。



 次の日も宇宙は街へ出て情報収集していた。ここで得れた情報はこの国レイア中立国はその名の通り他の国とは違い中立な位置にあること、他の国とは帝国、王国、異国、亜人主義国の四つということ、なによりもこの国は異国人の仕事には冒険者業くらいしか手を出せないことだ。

 このことから宇宙は半強制的に冒険者になる他なくなった。


(よりによって冒険者か…

1番やりたくなかったんだがなぁ)


 こうなってしまってはもう諦めるしかない宇宙は自分に言い聞かせる、それに僕はこの世界の字が読めないし…と思いつつ宇宙は目的を絞り行動を開始する。

 

 目的の場所に行く途中宇宙は顔が見えないほど深くかぶったマントの男とぶつかった。男は何も言わず急ぎ足で去って行くが宇宙は目的を変えゆっくりと男の後を追う。


 宇宙はゆっくりと歩く宇宙は男が人の少ない路地に入ったのを見て確認すると宇宙は同じようにゆっくりとそのあとを追う、どこまでもつまらなそうな顔で。


 人気のない路地に入った男は急に止まり胸ポッケから財布を取り出す。それは男のものではなく宇宙が持っていた財布だった。


「ハッ、これだからあーゆうやつはやりやすい、ヘラヘラ歩いているからとられんだよなぁ」


「オイ」


 男はビクッと体を震わせ恐る恐る後ろ振り返るとそこにはついさっきスった財布の持ち主が立っていた。


「ん、」


 宇宙は手を出した、言わなくてもわかるよなと言わんばかりに。


「なんだよその手は」


 だが男はわざとしらを切った。


 次の瞬間財布を掴んでいた手が消えていた。


 男は何が起きたのか一瞬理解できなかった。次の瞬間には押し倒され宇宙がまたがるように男にのっていた。


「無防備な財布が目の前にありぁいつかは来ると思ったがこんなに早いと思ってなかったよ」


 何が起きたのかまだ理解が追いつかない。自分はどうなったのか、そんな状況にある男は目の前、自分にまたがっているつまらなそうな目をした宇宙に目を向ける。


「どのみち一人くらいの犠牲は必要だと思っていたよ」

 

 痛覚がない自分はどうかしてしまったのかと思う男だがだんだん意識も薄れてそんなことはどうでもよくなった。


 そして最後の言葉がかけられる。


「おやすみ」

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