堂堂巡り
掲載日:2018/01/03
昨年の暮れに書いたもの。
少し長い。
Ⅰ
爪
はじく
水滴
頬濡れて
声かすれ
マネキンの肌
卵が割れた
花
かおる
地面
頭下げて
口しばり
空を漂う霧
夢はしぼんだ
人
もえる
夜闇
魂震え
熱あがり
響く鐘の音
名は消えた
星
ひかる
慕情
棺抱き
舟わたし
宙吊りの無垢
月は流れた
Ⅱ
廻る廻る
一切は廻る
留まる足場は
仮初の大地
揺れる揺れる
心は揺れる
求めたものは
つじつまあわせ
消えゆく消えゆく
思想は消えゆく
個の中の思想は
まやかしだった
Ⅲ
刃は人を
傷つける
人の意思で
銃は人を
傷つける
人の意思で
Ⅳ
現実は虚ろで
虚ろは現実
Ⅴ
空虚な箱舟
Ⅰは物語のようで、Ⅱはその沈殿物のようで、Ⅲでは少しだけ浮上した。
Ⅳは境界線で、Ⅴは器?
「虚」の同字に「虗」というものがある。字義にも「丘、大きい丘」の意味があって、これが転じてむなしいの意味をも表すらしい(『新漢語林』)。




