三時間目 古典
なんか主人公の性格が変わってる気が…(汗)
めっちゃゆっくり展開ですがよろしくお願いします
男子生徒だった。
上靴は見えないから、
何年生かは全くわかんないけれど。
図書館に僕以外の人が来るのかと
思ってびっくりした。
でも、そんなのは僕には関係ない。
数学のテキストを開いているところを見るに
相手も自習目的でここに来たのだ。
邪魔をしてはいけないし、僕も集中したい。
今日は古典をやろう。
あと3ヶ月で模試がある。
実は僕がこの学校で受ける模試はこれが初めてだったりする。
定期テストが基礎だとすると模試は応用。
日頃の勉強習慣が物を言う。
今回の模試は3教科。
でも11月の模試は5教科。2教科加わる。
幸い社会は得意だ。
けれども理科は苦手だ。
どうやら僕は文系脳らしい。
英語はすぐに分かるのに数学は何時間も時間をかけないと点数
を取ることが出来ない。
理科も中学のときには化学分野と物理分野に苦しめられた。
中学はなぜ文系と理系に分かれていないのかと
プンプン怒ってた時期もあった。
模試の順位はどうなるのだろう。
応用問題のほうが解ける人と、
基礎問題の方が解ける人がいる。
ある程度変わるんじゃないかと思う。
この学校では考査ごとに順位が貼り出される。
初めの順位は8位だった。
結構自信があったのに、7人も上がいるのか、流石だなと思った。
と同時に1桁の中でも上半分じゃないのが悔しかった。
そこで、勉強のモチベーションを上げるために、
学年順位が4位の人に目を付けて、
コイツには負けない様にしようと心の中で誓った。
なぜ4位なのかというと
上位3位だと高すぎると思ったからだ。
これ位が目標としては丁度いいだろう。
4位 結城京一郎
貼り出された順位表にはそう書いてあった。
名前から見て、お坊っちゃんって感じがした。
名前だけしか見てないから失礼だけど。
こうして、テストで結城君とこちらから一方的にだけど、
勝負する日々が始まった。
今のところ3勝4敗。
あんまり勝たせてくれなかった。やっぱり手強い。
僕がこの学校で受けた初めのテストでは、結城君は
たまたま調子が悪かったらしく、1位が1回、2位が3回あった。
悔しかった。だけど結城くんのお陰で毎回1桁の上位に
入ることが出来た。
結城君は数学が得意らしい。
毎回90点台後半以上。
100点が3回くらいあった。
僕は頑張ったとしても90点取れるかどうか。
その分英語と国語でカバーしてるけど。
結城君は、どうなのだろう。
負けるつもりはないけど相当いい気がする。
ちなみにだけど僕は結城君に会ったことがない。
だから相手の性格や容姿は知らない。
友達が少ない僕は結城君についての噂を聞くこともない。
部活も知らない。
クラスも本来なら貼り出されるところだが
うちの学校にはそういう情報は載せられていないのだ。
名前と点数だけ。
だがそれだけでも良い。
名前と点数だけの君に僕は勇気づけられているよ。
ありがとな。
古典は今日は古文の予習をした。
古典や英語の予習はじっくりとする主義なのでいつも時間がかかる。
現代の言葉と違う意味を持つ古文単語は勘違いしやすいので
きちんと覚えよう。
いつの間にか辺りが暗くなり、キラキラと星が見えてきた。
午後7時。帰らなくちゃ。
帰宅の準備をしよう。
ふと見るとまだ数学テキスト君(勝手に適当に付けた)
が残っていた。もう帰ったと思っていた。
やるじゃねぇか。
いかん、上から目線になってしまった。
この何時間かずっと数学やってたのか。
帰宅準備中にチラリと見た数学テキスト君の
顔はとても整っていた。
黒髪で、手もきれいな気がした。
女の子にもてそう。
初恋ですらしたことのない僕は
柄にもなくそう思った。