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女子遊撃強襲機械兵

 女子遊撃強襲機械兵は文字通り女性ばかりで構成されていた。彼女たちが所属していた軍にも男女混成の部隊や男子のみの部隊もあったが、女性たちだけの部隊があるのは、高度の人体改造に耐えられ機械兵になれるからであった。


 そのため、神経系を残してありとあらゆる部分が機械と融合させられたり置き換えられたリされているので、ほとんど身体が機械になっていた。もちろん生体のように見えるところもあるが、改造されていない部分といえば生殖器ぐらいなものだった。

 生殖器が残っっているのも優秀な兵士だったら子孫を残させるためだった。すべては兵器の生産が優先されていた。


 女子遊撃強襲機械兵小隊の任務といえば、激しい戦闘が行われている戦場に強襲揚陸艦で突入して、敵の主力をたたくものだった。だからいつも敵の猛攻を受けることは当たり前だった。そのためいつも酷い損傷をうけさらに身体の機械化がすすんでいった。


 マリンの身体が強化外骨格から出されると、生体と機械が融合した醜い姿をさらけだした。しかも今回の戦闘で無数のクラックが入り体液が噴き出していた。


 マリンは十三歳の時の事を思い出していた。マリンの本名は・・・封印されて思い出せないけど、とにかく学校に行ったら軍の徴兵局の職員に強襲機械兵になる素質があると宣告され、そのまま改造センターに送られた。

 そこで全身を機械化兵士養成外骨格スーツに閉じ込められ。厳しい訓練を受け十五歳の時に最初の戦闘に参加した。以来、作戦を百回以上こなしそのすべてで武勲をあげてきた。そこで敵兵をバラバラにするのを快感とさえ思うようになっていた。

 

 でも今ではもう快感とはおもわなくなっていた。少し前の戦闘で軽武装のゲリラを殲滅したときの事だった。同世代の無防備に等しい男女を殺害したときの事だった。マリンが男性ゲリラを撃ち殺した直後のことだった。近くにいた女性ゲリラが対機械化兵用ライフル銃で特攻してきたのだ。

 

 彼女は防御装備品を満足に装着していなかったので、マリンの銃撃でどんどん身体がボロボロになって血潮を噴き出しても突進してきて、しまいにはマリンの首に深刻な傷を与えたのだ。そして最期にこう言い残したのだ。恋人を奪いやがってと。マリンは愛し合う二人を手にかけてしまったのだ。


 それ以来、マリンはいままで殺してきた敵兵の事を思い、今まで通りにいかなくなっていた。だから惑星エルバ774では一瞬躊躇したため、強力な対機械化兵用兵器の餌食になり、全身の外骨格が傷ついて命からがら逃げる羽目になった。


 「ユリアン、わたしって冷凍睡眠に耐えられるかしら?」


 「正直に申しまして、五分五分でしょうね。ほかの三人よりもお怪我がひどいですから。それに地球人になるには、今の身体の大部分は破棄だと思いますよ。まあどれぐらい使うかは相手に身体の状態にもよりますから」


 「そういうことは、わたしはこのまま冷凍睡眠に入ったら永遠に目覚めることはないかもしれないってことね」

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