わたしは・・・マリン
私はマリン、あの”紅い魔女”と敵味方関係なく呼ばれていた残虐な女子機械化兵の小隊長・・・でも、おかしいよ! わたしはフツーの女子校生の高橋詩織ではなかったの?
「先生! これってどうなっているのよ! 私って・・・というよりも先生は一体何者よ!」
私の中には本当に数多くの事が分からなくなっていた。確かに去年より前の記憶は朧気だし、マリンとしての記憶も・・・ということは、私の正体っていったいなんなのよ!
「そうだね・・・いつかは教えてあげないといけなかった事なんだけど・・・とりあえずは、元の高橋さんの姿に戻って。戻り方だけど・・・」
私は貴子先生に言われた方法で元の姿になったが、服の左腕の袖が引きちぎれた状態になっていた! そして、トカゲ野郎の死骸も元のままだった・・・
「先生、私の服が破けているし血で汚れているし、それにトカゲ野郎の死体はどうすればいいのですか? まさかほっとくんですか?」
「服は・・・とりあえず私のジャケットを着てちょうだい、あなたがやっつけた奴はこうするから」
そういうと貴子先生が持っていた光線銃が輝くとトカゲ野郎の残った死骸は塵のようになってしまった。ただ、ひどく生臭い臭いが周囲に漂っていた、
「臭いは・・・そのうち消えるから大丈夫よ。それと土生さんは・・・記憶を改竄するから。あなたと写生していたらトンビに腕をつつかれて気絶してしまって、あなたはそのトンビにとられた者を取り返そうとして・・・木から落ちて左手を怪我した。それで良いわね?」
そういって貴子先生は千尋の頭に補聴器のような物を押し当てた。すると千尋の意識が戻ってきた。
「詩織! わたし何をしていたのかしら? あっ、そうかトンビに私が持っていたパンを取られたのよね! それよりも詩織どうしたのよ、その腕は!」
そういわれ左腕を見ると赤っぽく腫れていた。というよりも新しい腕が付いていた。どうも再生中の状態のようだったけど、人から見れば高い所から落ちて捻挫したかのような感じもするものだった。
「これはねえ・・・おもわずトンビの奴を追いかけてねそこの木に登ったら、木が倒れてね」
私はそういったが、その木は私が振り回すために根元から引き抜いた木だった。だから色々とトカゲ野郎にぶつけた痕跡があったけど・・・なんとなく誤魔化してしまった・・・
そのあと、皆のところに行くと、これから一緒に近所のレストランに行くところよと部長に言われた。さっきの事は一体なんだったんだろうか、夢だったんかなと思った。しかし、だけど私は・・・マリンだったんだ!




