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やっつけてしまった!

 私の身体は金属製のボディの中に閉じ込められたかのようになっていた。そしてなんか強くなったような気がした。それで私は胸から下を見ると・・・あれ、これって!


 その時、思い出したのが弟が今夢中になっているメタリックヒーローの”銀河刑事ギャルン”の装甲機動刑事の衣装に似ていたのだ。ただ違うのはギャルンが男なのに、私は女だから女性らしいメリハリがついたボディラインだった。

 

 でも違和感が一番あったのが私ってこんなに胸が大きくないってば!


 「お前は機械盟約の女子遊撃強襲機械兵だったのか! そういえば、お前らの部隊はこの辺境の惑星から拉致してきた種族を品種改良したものが素体だったわけか。っていう事は噂は本当だったんだな。

 ますます、サンプルとして持って帰らんといかねえなあ」


 トカゲ野郎の頭目はそういったが、部下は少し怖気ついていた。


 「こいつは・・・あの”紅い魔女”に似ているんと違いますか? そんなの相手なんかできません!」


 「何言ってんだ? そいつは第四次エルバ774戦役以来戦闘に参加してねえぞ! そいつの部隊は戦役後永久解散したからたぶん戦死したらしいぞ、あの第815女子遊撃強襲機械兵小隊は!」


 エルバ774? 第815? そのキーワードに私の頭の中には変なイメージが浮かび上がっていた! こいつらって一体? でも私の身体は勝手に動き始めた。それは私の中のもう一人の人格が発現したかのようだった。


 私、いや私を覆うメタリックボディの女はトカゲ野郎の部下を、次々と倒してしまった。しかも粉々に吹き飛ばしていった! でも内心恐ろしかった。いつもなら肉を切ったり魚をおろしたりするのも血の気が引けそうなほどいやだし、ましては他の生物の命を奪う事もできないはずなのに!


 「お前、やっぱり”紅い魔女”なのか? でも、そいつは確か身体の大部分が機械のはずじゃ・・・って、いうよりも若すぎねえかお前!」


 一人だけになったトカゲ野郎はレールガンのトリガーを引こうとしていた。どうやらこいつらは戦闘員でも装備が貧弱だったので、サンプリング専門のようだった。任務も若い女性を拉致するだけだったようだ。


 詩織、いやメタリックボディの女子機械戦闘員は足元にあった石をそのレールガンの射出口に弾丸よりも早く投げつけた。その瞬間。エネルギーチャージ中のレールガンは爆発し、トカゲ野郎の上半身は蒸発してしまった。


 わずか一分で詩織と千尋を拉致しようとしたトカゲ野郎たちは全滅したが、その場に女子機械戦闘員も膝から落ちてしまった。


 「わ、わたしは・・・わたしマリンだったんだ? でも、なんで生身の肉体にいたんだろう?」


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