追い込まれた詩織
詩織はトカゲのような連中と戦っていた。奴らは五人というか五体というかは分からないが、グロテスクな皮膚をしていた。そして武装はフェンシングのような形状をした剣を持っていた。その剣でさっき詩織の左腕は切り落とされた。
「あ、あんたたち、なんて事をするのよ!? 機械盟約っていったいなによ? わたしのような・・・」
そこまで言ったところで詩織は自分は普通の女の子ではないと気付き始めていた。左腕の切口から見えるケーブルの束のようなもの。そして頭に浮かぶ日本語ではなおなにかの文字列。その意味は分からないけど身体の方が反応している・・・
その時、詩織はトンデモないことを考えていた。この前弟たちが見ていたUFO特番で取り上げられていた。たしかアブダクションといったかな。わたしはどこかの宇宙人によってアブダクションされて変な改造人間にされたのかしらと。
でも、宇宙人に拉致された記憶はないし・・・そうだ! 記憶は消されているんだ! きっと催眠術にでもかかれば宇宙人に拉致された記憶は戻るかもしれない。その宇宙人が機械盟約なんていうんだろうか。そんな事を思っていた。そう思っていたのも、相手が五体もいるので気を失った千尋を取り戻せず、むしろ反撃されていたので防戦一方だった。
「わたしのような、っていってもお前は機械盟約の機械化兵士の機体に地球人の小娘の外観を施したと違うのかよ? 前にも見たことあるぜ。お前らの機械化兵士が我々の種族の振りをして浸透しようとしたのを! お前も地球に浸透しようとていたんだろ? いいかげん認めたらどうだ!」
そういうと、五体のリーダーみたいなやつは、わたしの胴体に横にあった樹木を切り倒して得た丸太を投げ込んできた。間一髪でそれをかわしたけど、その時の勢いで近くにいた奴らの一体に足蹴りを喰らわしてしまった。すると、そいつの身体に巨大な風穴が出来てしまった。
わたしは、その時戦慄した。おそらく、こいつの命を奪ってしまったと! でも同時に不思議な満足感も生じていた。それは達成感に浸る様な感じがした。
その勢いでわたしは他の連中にも蹴りを喰らわし、次々とやっつけようとしたけど、左腕からの出血のせいか頭がくらくらしてへたり込んでしまった。もうわたしは抵抗できそうになかった。
「お前はやっぱり戦術機械化兵士だろ。でも、ここで我らに遭ったのは運が尽きたからだろ。そんな地球人の素体のままの姿じゃ実力を発揮できないだろ? 取りあえず基地にそこの小娘と一緒に連れて帰ろう。そこでお前を解体してしらべてやるからな!」




