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日曜日には公園で

 次の日曜日。わたしは千尋と美術部の風景スケッチ会に来てしまった。千尋は小学校の時の写生大会以来で楽しいと喜んでいたけど・・・本当の事をいえば美術に興味はなかった。芸術の授業選択で選んだのも書道は字が汚いし、音楽は歌うのは好きだけど音痴といわれたという記憶があるので、そう消去法できめただけのことだった。なのに、美術部の活動に参加するなんて・・・


 「詩織と一緒だなんて小学校以来よねえ、あなたったら夢中になるあまり車に轢かれそうになったじゃないの?」


 「そうだったかな・・・」わたしは千尋に昔話を言われても何も思い出せなかった。。幼い時の記憶もあるし、中学時代に勉強を頑張って高校に合格したことも・・・でも空白の時間が長すぎるのだ。

 父に聞いてみても、人は昔の事を徐々にわすれるものだから当たり前だから、気にすることはないとはいわれたけど、気になって仕方なかった。千尋が覚えているというのにわたしは覚えていないことがありすぎるからだ。


 集合場所に行ったとき、新入生が数人いた。そこには貴子先生ともう一人白人女性がいた。その女性は「ノイエ・ブルグ」の女主人に似ていた。貴子先生は彼女を紹介してくれた。


 「彼女はローザ・新城・ラインホルトさんです。いま美大の大学院生で日本画を専攻しています。今日は皆さんと一緒に写生の指導をしていただきます」


 「はじめましてローザです。風景スケッチですが自分が見た通りを表現すればいいです。具体的に言えば・・・下手でもいいんですよ最初は。

 子供の時の事を思い出してください。うまく書こうと思って絵を描いていたわけではないはずです。ただ、好きなように書いていたはずです。だから思う存分に書いてください。それが心の風景なんですから」


 ローザさんはそういってくれたけど、わたしの方をなぜか熱心に見ていた。なんでだろうと思っているとなぜかその眼はなつかしそうな眼をしていた、貴子先生と同じように。


 わたしもローザさんと初めて会ったはずなのに懐かしいと思っていた。これってデジャブ? そう思っていた。きっと、これは単なる勘違いよね、きっと。そう思っていたら、ローザさんはこう言ってきたの。


 「出来たら話をしませんか、お昼にでも?」

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