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龍が郭衛に自分の世界のことや自分のことを
話しいている頃。
街で龍が助けた少年は龍がいる劉儀の屋敷とは
真反対にある大きな商人の屋敷の一室にいた。
「お嬢様。また、そんな格好をなさって……
お父上に怒られますよ!……」
商人に格好をした孫覇は少年の格好をした
水蓮にそう言った。
「うるさいわね! この格好が楽なの……」
小言をいう孫覇に水蓮がそう言うと
「水蓮はいるか?……」
大声を上げながら、この屋敷の主・董雅が
水蓮の部屋へと入ってきた。
だが、董雅は少年のような格好をしている水蓮を見ると
「また……お前はそんな格好をして……」
呆れ顔でため息を付いた。
水蓮は頬をふくませながら
「良いの……」
というと董雅は飽きれたように再び、ため息を吐くと
「すぐに着替えなさい! 私と出かけるから……」
水蓮にそう言った。
「買い物ですか?……」
水蓮が嬉しそうに父の董雅に言うと
「ちょっと違う!…… 私と共に付いてきなさい!」
董雅は水蓮にそう言った。
「は~い……」
水蓮はつまらなさそうにそう言うと手早く、着替えた。
そして、董雅が水蓮と共にやってきたのは
龍が今いる、劉儀の屋敷の前だった。
「お父さま。ここですか?……」
水蓮は自分の屋敷よりも立派な劉儀の屋敷の門を
見ながら、父の董雅にそう聞いた。
「ああぁ…… お前はここの者に街で助けられたのだろう。
お礼を言わないと…… さあ。お前も来なさい!」
董雅はそういうと劉儀の屋敷の中に入って行った。




