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いくら待っても孔遊らの頭である劉儀は
龍炎国の都・焔火から戻ってこなかった。
「どうして、お頭は戻って来ないのだ?……」
孔遊らが劉儀が砦に中々、戻って来ないことを
心配している頃。
劉儀は龍炎国の都で北方から攻めて来る
”黒竜党”の対策の話し合いや都の警備などで
都を離れることが出来ないでいた。
柳白は龍のことを見ながら
「どうだろう? 孔遊殿。このまま、あの者【龍】を
ここに留めていてもしょうがないだろう。
いっそ、あの者【龍】を都にいる、お頭のもとに
やっては?……」
孔遊にそう言った。
「そうだな~……」
腕組みをし、しばらく龍のことを見詰めていた孔遊は
『あとはお頭に任せるか?……』
龍のことを認めた手紙を龍に託すと龍を劉儀がいる
龍炎国の都・焔火へと旅立たせた。
孔遊に教えられた道を辿り、3日ほど南下した龍は
大きな都・焔火に辿り着いた。
『大きい街だな~……』
あまりにも立派で大きな街に龍が呆気に取られ、
見惚れていたが
「そうだ! この手紙を渡す人を探さないと……
え~っと…… 名前はなんていったけ?……」
手紙のことを思い出し、手紙を渡す相手のことを
道の真ん中で考え込んでいると
「どけ、どけ!……」
そんな声と共にもの凄いスピードで道を駆けてくる
馬車があった。
龍は声に反応し、すぐに道の脇に避けることが
出来たのだが、道には逃げ遅れた子供がまだ、いた。
だが、街の人は誰一人として、その子供を
助けようとしなかった。
『なんで誰も助けないんだよ!……』
龍はその子供を助けるべく、再び、道の真ん中へと
進み出て、迫ってくる馬車の前に立ち塞がった。




