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 2


 土の匂いで龍は気がついた。


 ゆっくりと龍が目を開けると見たこともない荒野の真ん中に

うつ伏せに倒れている。


 『ここはどこだ? 乗っていたバスは?……』


 龍は今、自分が置かれている状況がまるで把握できなかった。


 『お、落ち着け。 これは夢なんだ……』


 龍は必死で今、自分が置かれている状況を把握しようとしたが

まるでダメだった。


 「そうだ…… 他の者達は?」


 ハッとクラスメイトらのことを思い出した龍は慌てて、

辺りを見廻したが辺りには龍以外、クラスメイトは誰も倒れていなかった。


 『ここはどこなんだ?……』


 龍は自分が今いる場所が何処なのかを探ろうとしたが

龍が今いる場所は龍が見たことのない荒野だった。

 龍が一人、途方に暮れていると突如、龍の後ろから

鼻を突く異臭に気が付いた。


 『なんだ? この臭いは?……』


 龍が臭いがする後ろを振り返るとそこにはテレビゲームの

RPGで出てくるような小学生くらいの肌は赤褐色の怪物ゴブリン

数体、武器を構え、龍のことを物珍しそうに見詰めていた。


 『おい、おい! この化け物はなんだ?……』


 龍が目の前のゴブリンらに驚いていると


 「獲物だ!獲物だ!……」


 ゴブリンらは口々に嬉しそうにそう言うと丸腰の龍に

襲い掛かってきた。


 『うわぁ!…… なんだ?』


 龍はゴブリンらの殺気を感じ取り、咄嗟にゴブリンらの

攻撃を交わしたが全ては交わすことが出来ず、ゴブリンの

武器が龍の着ている制服を切り裂いた。


 『おい、おい! 嘘だろう?……』


 ゲームでのことが今、自分に起こっていることに龍は

パニックを起こしそうになっていた。

 だが、そんな龍にお構いなしにゴブリンらは龍に

襲い掛かってきた。

 始めは紙一重のところでゴブリンらの攻撃を交わしていた

龍だったがゴブリンらの連携の取れた攻撃に次第に追い込まれ、

疲れていった。


 『もうダメだ! やられる……』


 足の動きが止まり、龍が諦めかけたその時……


 突然、龍にトドメを刺そうと襲い掛かろうとしていた

ゴブリンの一匹が動きを止めた。


 『どうしたんだ?……』


 龍が恐る恐る、そのゴブリンの様子を窺っていたら、

龍が何も攻撃をしていないのにそのゴブリンはその場に

倒れ込んだ。

 その倒れ込んだゴブリンの背中には一本の矢が突き刺さっていた。


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