第一話 Girl Meets Girl 前編
雨が降っている。
湿った土と風が薫っている。
廃墟となった古びた礼拝堂に少女は佇んでいる。
その佇まいはまるでお淑やかな深窓のお姫様のように優美さと繊細さを湛えていた。
もうほとんど着ている者などいない修道服じみた旧式の制服が驚くほど似合ってると、遠目に思う。
その姿はまるで穢れも知らないお伽噺に出てくる湖の精霊の乙女ようだ。
その少女の頬に一滴、何かが煌めいた。
その輝きはまるで少女の美しさを代弁するかのように頬を伝う。
ここからは遠すぎて、その煌めきが涙の雫なのか雨粒なのかはわからない。
でもわたしは、それはどうしてか直感的にわかった。
それが涙だと。
「ねぇ」
声をかけた瞬間に後悔した。
わたしは動揺から抜け出せていなく、声がみっともなく震えてしまったからだ。
「どうして──」
この先を言っても言いのか?
わたしが、こんなにも綺麗な世界に割り込むことは許されるのか?
わたしが関わることで、少女の儚げな美しさが壊れてしまう──。
そんなありえない幻想に囚われ、動けない。
でも、この気持ちを抑えることはできなかった。
この鼓動がわたしの行動と衝動と躍動を渇望している。
この体温は彼女の関心と視線とその声を溺れるように求めている。
わたしはそれに逆らえなかった。
「泣いているの?」
思いきって口にする。
良かった、今度はまともに言えた──。
わたしのちっぽけな安堵の吐息と同時に、箱庭が崩れる幻聴が礼拝堂に響いた。
✠ ✣ ✤ ✥ ✠ ✣ ✤ ✥
5月。
桜はしがみつくように、緑に侵略された木に辛うじて咲いている。
この季節特有の濃い新緑の匂いが辺りに漂っている。
風が一陣、桜と匂いを抱いて桜並木に吹き抜ける。
そんな中、通学途中のわたし、新嶋智花は太陽が眩しくて空に手をかざした。
わたしの内心は爽やかに過ぎるほどのこの風景とは反して、なかなかに陰鬱としていた。
正直言うとダルい。
なにがダルいってゴールデンウィークあけにわざわざ登校しなければいけないのがダルい。
五月病だろうか、ゴールデンウィークに自由と怠慢とうたた寝を満喫した弊害がここに出てしまったのだろう。
ついでに言うと、この噎せかえるような緑の気配がダルい。
1つを憂鬱に感じると、他のモノまで憂鬱に感じてしまう。
わたしの悪い癖だ。
退屈な先生のお説教が大半の授業を受けなくてはならなのがダルい。
ダルい、ダルい、ダルい。
「ダルい」が雪だるまのように肥大化していく。
こうなったらもう誰にも止められない。
今日、待ってるであろう雑務がダルい。
先生に、「その頭に乗ってるの、鬘ですよね?」と聞くのを我慢しなければならないのがダ──
「おはよう、智ちゃん」
桜並木を吹き抜けるような、芯の通った明るい声。
それがわたしの鬱々とした心を吹きとばした。
お陰でわたしは負のダルいスパイラルから抜け出すことができた。
桜の木たちは風に揺すられて、木葉が擦り合う繊細で爽やかな音を生んだ。
わたしに話しかけてきたのはクラスメイトの北沢めぐみ。
溌剌と駆け寄ってくる姿は、遊び相手を見つけた子犬のようだ。
黒髪のポニーテールがひょこひょこと、元気良く跳ねる。
血色の良い、ほんのすこしだけ日焼けしたつやのある肌が健康的だ。
そんな正統派美少女、北沢めぐみは開口一番、
「今日も智ちゃんは可愛いのー食べちゃいたいのー」
とんでもないことを口にした。
「ちょっ、やぁっ」
めぐみはわたしをニヤニヤしながらいきなり後ろから抱き締めてきて、耳もとで囁いく。
「もちろん、性的な意味で」
「ひっ──」
貞操の危機を感じた。
生存本能が脳内でけたたましく警告している。
わたしは思わず体を強ばらせてしまった。
めぐみはその健全そうな印象とは想像出来ないが、いつも誰かにセクハラばかりしている。
「ちょっと!!茜ちゃんはどうしたの?付き合ってなかっの?セクハラするなら茜ちゃんにしてよねっ」
「昨日別れたー」
なんてことないように、めぐみはしれっと言った。
「はやっ。付き合って3日でしょ?記録更新したんじゃない?」
「ううん、最短記録は3時間」
めぐみはなぜか自慢げに胸を張る。
そのおかげで、背中に彼女の胸が強く押し付けられてどうにも落ち着かない。
──めぐみはかなりのプレイガールでもある。
めぐみの、溌剌とした健康的な美貌、そして親しみやすいその話術。
なにより卓越した駆け引きの巧みさで彼女に心奪われる者は後を絶たない。
その結果、週に一人は恋人を変えている。
──恋人と言っても全員女の子だが。
その女癖の悪さが災いして、なんどか刺されそうになったそうだ。
めぐみに曰く、私を愛する女の子に刺されて死ぬなら寧ろ本望。
でもまだまだ私に抱かれたい人がいるからまだ死ぬことは出来ない、らしい。
なんともめぐみらしい考えだなと思う。
それにしても最短記録は流石に異常だ。
少し気になって尋ねようとするのだが──。
「ふぁっ、なにがあったのよっ。ひぅっ、ていうか邪魔っ」
──セクハラをリアルタイムで受けているから、変な声が出てしまう。
脱出しようともがいているが、全く放してくれない。
こいつ、何のとは言わないが場数はこなしてるからだろうか。
手つきがマジだ。エロい。いやらしい。
そんなことを思っていると、遂に服の中までてが入ってきた。
ちょっと流石にやり過ぎだろう。
背筋にいやな感触が走る。
本格的に貞操の危機を感じていると、救世主が現れた。
「はいそこまでよ、めぐみ?」
そう言ってめぐみの腕を引き剥がしてくれたのは、こちらもクラスメイトの納美毬乃だ。
ウェーブがかった美しい栗毛が朝の太陽の光を浴びて煌めく。
形のいい目に怒気を湛えて仁王立ちしているが、どうにもどこかお淑やかで迫力に欠ける。
お嬢様然とした佇まいだ。
──ていうかお嬢様だ。それも生粋の。
一度毬乃の家に遊びに行ったことがある物は必ず、その豪邸ぶりを見て絶句する。
その噴水は豪奢なことこの上なく、その門は優美な空間を演出する。
庭はどこぞの大規模な自然公園より広く、ガレージには一台いくらするのか判らないくらいの高価な高級車が立ち並ぶ。
ていうか毬乃の家に、学校のより大きいプールがあるってどういうこと?
「ありがと、毬乃」
「ええ、どういたしまして」
毬乃はふんわりとした、白薔薇のような優しい微笑を浮かべる。
その微笑が、わたしの荒んだ心を和らげた。
「毬乃──」
「それよりこのド淫乱性欲魔神には後でお灸を据えなければなりませんね」
「え?」
少々アレなフレーズが入っているのは気のせい。誰がなんと言おうとも気のせいったら気のせい。
✠ ✣ ✤ ✥ ✠ ✣ ✤ ✥
そうこうしている間に教室に着いた。
「あっ委員長閣下」
「ほんとだ。おはようございます閣下」
「閣下、おはようございます」
教室につくなり閣下閣下の大合唱。
正直もう辟易している。
人をオモチャみたいに扱ってくれて。
全く、あなた達にはもうちょっと思慮深く行動出来ないの?
これだから女子高生は。
まぁ、かく言うわたしも女子高生なんだけど。
ちなみに閣下とは──わたしのことだ。
何故私が閣下と呼ばれるか。
ここ、私立風岡青蘭学院高校は規則というものがほとんどなく、生徒の自主性を重んじている女子校だ。
それにともなって青蘭学院は生徒会を始めとした各委員会、そして学級委員長は大きな権限と激務が与えられている。
その権限が非常識なほど大きく、そしてなにより激務の負担がはてしなく大きいので、生徒会役員と各委員長と学級委員長は生徒から畏敬の念を込めて「閣下」と呼ばれる。
わたしが何故そんな学級委員長閣下になった、というのはまぁ要するに誰も立候補しなかったからなのだが、それはまた別のお話し。
ちょっと意識が過去まで時間旅行していたところで、
「ねぇみてー。初瀬さんがいるー」
めぐみが話しかけてきた。
めぐみが指さす方向を見ると、一人の少女が。
──初瀬さん。
わたしの鼓動はトクンと脈打った。
「──本当だ。珍しい」
わたしはなんとか声の震えを抑えた。
うまく動揺を隠せたのだろうか?
初瀬美墨。
それが窓際の席に座る彼女の名前だ。
絹のような美しい黒髪。
抱き締めたくなるくらい華奢な体。
日本人形じみた繊細な顔立ち。
そしてそれを彩る物憂げな瞳。
もはや誰もダサいと言って着ていない修道服じみた旧式の制服が呆れるくらい似合ってる。
彼女の瞳は物憂げな光を湛えて、教室の外の景色を眺めている。
その姿はまるで深層のお姫様のよう。
「初瀬さんが教室に来たのは、今月初めてじゃない?」
毬乃が、カナリアのように首を傾げる。
──美墨が来ている。
その事実はわたしを揺り動かした。
まるで神様が手違いで作ってしまったような美少女は授業どころか教室にもあまり顔を出さない。
4月の最初こそ、2日に1日くらいはきてたが、4月後半、それも5月になればめっきり姿を見せなくなった。
それが今日、奇跡的に教室に居る。
こんな機会、今を逃せばしばらく来ないかもしれない。
わたしはちらりと美墨のほうを見る。相変わらず美墨は物憂げに外の景色を見ている。
✠ ✣ ✤ ✥ ✠ ✣ ✤ ✥
──一ヶ月前。
それは入学してすぐのことだった。
この青蘭学院高校の敷地は途方もなく広く、また複雑な作りをしていた。
例えば西館の北にあるのは北館でもましてや西北館でもなく本館。
西館の東にあるのが南館。
また、敷地にはしる道も迷路のように複雑だ。
まだこの学院に慣れていない新入生は必ずと言っていいほど道に迷ってしまう。
学校の敷地で迷うなんて他の学校からすれば信じられないだろう。
わたしはその例に漏れず、見事に道に迷ってしまった。
そんなとき、私の前に現れたの人がいた。
美墨だった。
彼女は美しいかった。
背中まで届く、光沢を放つ黒髪。
可愛らしい小さな額。
すうっ、と通った鼻。
眉は優美な曲線を描いている。
彼女のパーツがどれも彼女の優美さを主張し強調し象徴している。
そんな美墨は、
「どうしたの?」
と、無関心そうに訪ねてきた。
無関心そう、と表現したのは彼女の声に抑揚が少なかったからであり、そもそも無関心ならわたしに声などかけないだろう。
「いやその、恥ずかしながら道に迷ってしまって」
「そう、どこに行きたいの?」
ぶっきらぼうに、しかしどこか気品を感じさせる声だった。
そっぽを向いているくせに視線だけチラチラとこちらに向けてくる。
「図書館に」
「そう、ならこの道をまっすぐ行って右に曲がると着くわ」
「あ、ありがとうございます」
「ちょっと。敬語は止めてちょうだい。あなた一年生でしょう?私と同学年じゃない」
「え?先輩じゃないんですか!?」
美墨はまだこの時は教室に顔を出したことはなかったのと、道を知っているということはこの学院に慣れた先輩だと思ったのだ。
「さっきそう言ったじゃない」
「ならどうして道を知っているんですか?」
しまった──。
言ってから気づいた。
初対面の彼女に、こんなどうでも良いことを訪ねるなんて──。
わたしはなんてことしちゃったんだとヒヤヒヤしていたのだが、
「私が内部進学生組だからよ」
彼女はなんてこと無いように答えてくれた。
少し用心しすぎたのだろうか。
「──なるほど」
「いいから、早く行きなさい」
「うん。その、ありがとね」
わたしはその後駆け足でその場を去った。
そろそろ時間に余裕がなくなって来たからだ。
✠ ✣ ✤ ✥ ✠ ✣ ✤ ✥
わたしはそんなことがあってから、ふとしたきっかけに彼女の姿を探すようになった。
彼女に、ちゃんとお礼を言いたかったからだ。
しかしなかなか見つけることは出来なかった。
そんなある日、美墨がなに食わぬ顔で教室に顔を出した時は本当に吃驚した。
わたしはまさか美墨が同じクラスだとは思ってすらもなかった。
一度、彼女にプリントを渡す機会が有ったけど、いざ会話をすることは出来なかった。
しかし、今日、この教室に美墨はいる。
──なら。
この状況を逃す手など無いはずだ。
わたしは静かに決心した。
「わたし、ちょっと初瀬さんに話しかけてくる」
正直自分でも大それたことをしてると思う。
相手はあの、初瀬美墨なのだ。
しかしこの機械を逃す手は無い。
それに、美墨に渡さないといけないプリントがあるのだ。
それを渡して、お礼をいわなきゃ。
私は美墨のところへ行──こうとしたのだが、
「ちょ、ちょっと!!マジ?あの 初瀬さんに?私ですらまともに話せたことないのに?」
わたしの腕がめぐみに掴まれた。
ちょっと痛いんですけど。
毬乃も目を丸くしている。
確かにめぐみは何人もの恋人を作ってきたから女の子を落とす腕前には自信があるのだろう。
──ていうか。
「嘘。めぐみがあんな美少女をほっとくわけ無いじゃない」
わたしは驚いた。
めぐみなら1日に何度も口説いて猛烈なアタックをしていても不思議ではない。
「そうだわ、めぐみは可愛い女の子見ればすぐ鼻の下を伸ばして擦り寄るんだから。なんて節操なしなんでしょうね。そうよいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつも──」
駄目だ、毬乃が壊れた。
毬乃はめぐみのこととなると何故か機嫌が悪くなる。
二人は仲は悪くないと思うんだけど。一緒にいることも多いし。
「あー」
めぐみが気まずそうにわたしを見る。
「続けちゃって」
とりあえず毬乃が落ち着くまで放置することにした。
ごめんよ毬乃。
「もちろん口説いたよ。いや、正確には口説こうとした、かな。口説こうとしたら逃げられちゃった。彼女照れ屋さんなのかな?」
「たんに初瀬さんが貞操の危機を察知しただけだと思うんだけど」
「そかな?」
「でもこの前プリント渡しに行ったとき逃げなかったよ?」
確かにちょっと心地悪そうにはしていたけど。
あのときはだいぶ勇気を消費した。
「そっかー。あなたたち相性いいかもねー。」
何処からツッコめばいいのだろうか。
脳内会議の結果、スルー案が可決された。
「でも智ちゃんもやるね。プリント渡すことでカモフラージュしてお近づきになる!!
そして今日はついに口説くだね!!
あのねー、口説くときは最初は相手を褒めるんだよ。それも容姿じゃ直接的過ぎるからペンとか筆箱とか──むぐぐ」
めぐみのマシンガントークを口を塞いで止めたのはまたしても毬乃だった。
良かった、自力で立ち直ったのか。
「もう、バカなこと言わないのっ。
智花さんはまたプリントとかの 用事で話しかけに行くんでしょう?さあ、ここは私に任せて」
毬乃が微笑を浮かべる。
なんだただの天使か。
「あ、ありがと。じゃあ行ってく──あれ?いない」
わたしは意気揚々と出撃しようとすると、既に美墨の姿はなかった。
わたしたちが話している間に美墨は何処かにしまった。
授業開始を告げるチャイムが年季の入った校舎に虚しく響いた。
✠ ✣ ✤ ✥ ✠ ✣ ✤ ✥
放課後。
例のプリントを美墨に渡したかったのだが、普段の学級委員長の業務で探す機会もなく放課後になってしまった。
「智ちゃん、いっしょに帰ろー」
めぐみと毬乃がやってくる。
何気に抱きついてこようとするめぐみをあしらいつつ、
「ごめん、ちょっと用事があって」
「なにかしら?お仕事?」
毬乃が問う。
「うん」
「さーっすが『学級委員長閣下』まっじめー」
「──自分でも少し真面目すぎって自覚ぐらいあるわよ。ていうか学級委員長閣下は止めて」
もう辟易してるの。
「少しぃ?」
──失礼なやつめ。ていうか学級委員長閣下のくだりはスルーしただろ。
真面目云々を置いといても、学級委員長の仕事は忙がしい。
連絡事項の伝達、各提出物の管理、小テストの成績が悪かった者のペナルティの監督、体育祭や文化祭、2年になれば修学旅行といった行事の監督、果てはクラス予算の管理など多岐に渡り、その全てに大きな権限と重い責任を持つ。
なるほど、『学級委員閣下』とは確かに言い得て妙だ。
「とにかくっ」
話の流れを切ろう。
「わたしは今日忙がしいの。悪いけど二人で帰ってほしいんだ。ごめんっ」
「それはわかりましたけれど、用事って何かしら?」
毬乃が首をかしげる。
まったく、毬乃は何をしても絵になる。
美墨も凄いが、毬乃とはベクトルが違う。
美墨は日本人形のようだが、毬乃はまさに西洋人形のようだ。
「えぇっと、初瀬さんに進路志望アンケートのプリントを渡さないと。今日が期限なの」
「って今からで間に合うの?もう帰ってるんじゃない?初瀬さん」
めぐみが聞いてきた。
「うーん、まあまだ図書館とか自習室とかにいるのかもしれないし
。それに出来るだけ早く集め終わりたいんだ 。本当は別に今日じゃなくて明後日まででいいんだけど。ちなみに初瀬さんで最後なのよ」
統計するのはわたしだしね。
学級委員長の権限で、多少は提出期限を延長することが出来る。
といっても、その分仕事を後回しにするのだから、当然後々仕事が溜まって大変なことになるけど。
「そう、なら私たちもいっしょに探しましょうか?」
毬乃が提案する。
「え?いいの?」
「ええ、べつにこの後になにか特別な用事は無いのよ。めぐみもいいわよね?」
流石です毬乃さん。
その微笑みは聖母のようだった。
「えー?めんどい」
少しは空気を読む努力をしようよ、めぐみ。
毬乃とは正反対だ。
「そう──私、めぐみと一緒に探してみたかったのに」
毬乃は目を潤ませてめぐみを見つめる。
「うっ」
めぐみがたじろぐ。
わたしもその瞳の眩しさに目を反らしてしまった。
それくらいの破壊力があった。
「毬乃にそこそんな目で言われたら、断れないじゃないか」
めぐみは白旗を掲げた。
毬乃さん流石です策士です。
「二人ともいいの?」
わたしは二人に確認した。
「ええ」
「うん」
「ありがと、助かります。
じゃあ私西館と図書館探すね」
なんだか照れ臭くて、ついぶっきらぼうになってしまった。
「じゃあ私は新館をさがそうかしら」
「じゃあ私毬乃といっしょに行くわ」
こうして美墨の捜索は始まった。
百合が好きなのに百合小説はあんまり読んでない僕がみきり発車で始める「Rain Day」ですが、ちゃんと完結させるので、最後まで智花と美墨の物語りに付き合っていただけると嬉しいです。
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