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アラストル  作者: GRAM
1/5

#001: Agreement

女の子と剣と銃とアクションが好きな人向けです。


 私はそこで目が覚めた。



 体を引き裂かれた激痛、暗い影が迫ってくる恐怖、そして、全てを失う喪失感。今さっきまで感じていたはずのそれらは、目が覚めたときには全て感じられなくなっていた。


 夢……?


 とても、とても怖い夢だった。

 現実には絶対にありえないことばかりで、変な生き物が襲ってきて…………何が何だか分からない夢だった。

 それにしてもここは暗い。目を開けているのに何も見えなくて、ただ暗い闇だけが私を包んでいる。


 ……何だろう、すごく気持ち悪い。


 体中をジメジメしたモノがまとわり付いている。きっと気持ち悪いのはこれのせいだ。


 そうだ、起きなきゃ。起きて電気を点けて、点けて……。


 あれ……布団が重い。これじゃあ起きれないよ…体が、動かないよ……!


 ここ何処?私、何処で寝ているの?ここって私の家だよね?誰も居ないの?お母さんもお父さんもお姉ちゃんも、居ないの?


 気持ち悪い…嫌だ、こんなとこ、居たくない。早くみんなに会いたい…


 きっとこれも夢なんだ。よく分からなかった夢の続きなんだ。だから、早く終わってよこんな夢。早く起きて。早く早く…!


 ただそこでじっとしたまま私は私に叱咤を飛ばしていた。その時、



 ――ほう、肉体は喰われても、魂だけは守り残していたか



 誰だか分からない男の人の声が聞こえた。


 …誰?


 ――我が名はアラストル。お前は魔界の者に肉体を喰い尽くされ、残ったお前の魂もこの魔界に飲み込まれたのだ。そして、その魂もまた、闇に喰われようとしている。


 何言ってるの?これは夢でしょ?だから私は死んでなんか…


 ――違う。お前の肉体は既に滅んだ。これも夢想ではない。


 嘘。


 ――事実だ


 嘘だ!だって私……


 ――現世に存在していたお前は、もう死んでいる。


 じゃあ、あの夢は…夢じゃなかった…?


 途端に寒気がしてきた。

 あの時、あの瞬間、溢れかえる血色に染まった私の体。引き千切られ、砕かれ、租借される私の体。鮮やかな血の赤と中から露出した白い骨のコントラスト。

 走馬灯のようにあの瞬間が駆け巡る…ううん、きっとこれは走馬灯なんだ。だって私は……

 そこまで考えて、今度は寒気とは別のが私を襲った。ただ事実を受け入れたくない我儘な否定。


 嫌だ、嫌だヤだヤだ!まだ死にたくなんかない!


 ――今、我と契約すれば現世へ復活できるが、どうする?


 生き、返る?私が?


 ――そうだ。過去を捨て、我のために働いてもらう。


 それで、みんなに会える?


 ――違う。過去を捨てる、そう言った筈だ


 嫌だ…!


 ――勘違いするな。お前の選択肢は一から生きるか、ここで死ぬか、だ



 …………生き、たい…



 ――契約は終わった。


 次の瞬間、私は光に包まれ、意識を無くした。



まだまだ序盤です。感想、ご意見などお待ちしてます。このタイトルどこかで見た聞いた!なんてご意見はご遠慮ください。本人も分かってます……。

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