表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
侍-BLADER-  作者: oyj
3/83

第一章 第三話

「おっはよー!」

模範的な挨拶とも言える、明るくて大きな声で起こされた竜崎の部屋に、朝早くから知念は立っていた。

「…今何時?」

「五時だよ!」

「…」

竜崎は、寝つきが悪い。

寝たのは二時だった。


「暇だったからさー。ほい、瓦版(カワラバン)!」

竜崎は、知念に渡された瓦版と呼ばれる帝国軍の出す情報紙を読んで、言った。

「…派手にやってるな」

つぶやく竜崎に、知念は言った。

「友達みたいな言い方するじゃん」

「…」

そこには、帝国軍の基地襲撃の報せが載っていた。


『最重要危険人物、鎌田宗佑(カマタソウスケ)

更に指名手配犯の似顔絵と、賞金が描かれていた。

鎌田は左前髪だけ色が違い、目つきがかなり悪い。

「賞金がまた上がったって…いちじゅう…に、二千万金(ニセンマンキン)!?」

知念は驚いている。

帝国軍は、犯罪者や妖に賞金をかけている。

しかしそのほとんどは数十万から数百万金で、二千万金は破格である。


「何なに?反抗勢力『八咫烏(ヤタガラス)』、帝国軍第六支部を襲撃…長である鎌田宗佑自らが率い、支部を壊滅させた…すごっ」

やたら体を寄せて、瓦版を見る知念。

「…」

竜崎は、心配そうな目で瓦版を見つめていた。


「人間同士で争うなど、愚かな事です」

朝食時、知念の祖母はそう言った。

「ただでさえこの国には、妖が出るというのに…人間が問題を増やして、まったく悲しい事です」

「ばあちゃん…早くこの国が、平和になったらいいね」

知念は祖母にそう言って、優しい目をした。

「竜崎さん、あなたはどうかその力、正しい事に使ってください」

竜崎にそう頼む祖母に、彼はうなずく。

「…はい」

「あったり前じゃん!純はあたしの恩人だよ!?」

知念のおかげで、竜崎と祖母の関係も暖かいものとなっていった。


着物で過ごしていた竜崎が、青い布を羽織り、首巻きを巻き、長刀を持ち、出発の準備をしていると…

「た、大変だー!」

村に、男の大声が響いた。


男は続けて叫ぶ。

「妖だ!森から妖が!」

竜崎は急いで鞘から長刀を抜きながら、外に出た。

知念も同じだった。


「うわあー!」

「助けてくれー」

村の人々は、散り散りに逃げていた。

それを追う妖は人妖、『(カバネ)』。

知能はないが、屍首よりも、手足がある分厄介だ。


「ウオオオ」

「ひいっ」

人々が多すぎて、横に大きく広がる『牙折り』は使えない。

「…避けてくれ」

竜崎はそう言い、長刀を下から後ろに構えた。

知念が、屍に襲われている男に向けて叫ぶ。

「そんなんじゃ聞こえないって!与作さーん!避けてー!」

「ん!?おお、知念!」

与作は落ち着きを取り戻し、二人の方を見た。


爪剥(ツメハ)がし』

竜崎が長刀を下から前方に振り上げると、風の刃が地に立ち上り、突き進む。

与作はうまくそれをかわし、刃は屍に当たり消滅させた。


「あたしがあんたの声になるよ!みんなー!」

同じように、知念が村人を避けさせ、竜崎が『爪剥がし』で屍を倒していった。


どれだけ時間が経っただろうか。

「…森が怪しい」

村人をなんとか全員救い、竜崎はそうつぶやいた。

「最近まで、ずっとこの辺は平和だったのに…」

と知念は、死者こそなかったが、傷付き疲れ果てた村人達を見て、悲しげにしていた。


森へと歩き出した竜崎に、知念が声をかける。

「待って!あたしも行く」

「…危ない。また死にかける」

竜崎は止めるが、知念は

「今度はあたしがあんたを救う!」

と言い、その前向きな発言に竜崎は感化され、同行を頼んだ。

「…わかった。今みたいに、また助けてくれ」

知念は笑って言った。

「まかせて!」

そして二人は森へと向かって行く。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ