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どこかの国のお話し

作者: 朝日奈流星
掲載日:2026/04/14

甘党にも辛党にも親しい名が連ねている、とある国の物語り。

スイーツ王国のモンブラン国王はまだ若い。


先の国王のザッハトルテが病気で亡くなってから跡を継いだのだった。


亡き父のザッハトルテの意志を引き継ぎ、国民優先の政治を行い、今では国民の誰もがこのモンブラン国王を支持していた。


 ただ、まだ若いモンブラン国王には心配事があった。

それは彼自身以降の後継ぎがまだないことである。

妻であるマドレーヌ王妃と結ばれてから3年目になるというのに、お子が授からない。

国民や王室関係者もヤキモキしていたところを、なんと!授かったのだ。


 モンブラン国王と王妃のマドレーヌの間に長男が授かった。

これには全国民が喜びに沸き上がったのであった。小さい国ではあるが、国を挙げての祝福でお祭り騒ぎであった。


 モンブラン国王とマドレーヌ王妃の長男であるティラミス王子は健康に育ち3歳になる。

近頃ではティラミス王子の日頃のお世話をする侍従のパンケーキにすっかり懐いてしまい、寝ても覚めても、食事も遊ぶ時も・・・眠るまでパンケーキに縋り付いている。

これには流石にママであるマドレーヌ王妃は寂しかった。


 モンブラン国王を始め王室が話し合い、侍従のパンケーキを一旦担当から外すことを決定したのは仕方のないことであろう。

パンケーキに非はないが、彼女は内心は寂しかったのである。

しかし、解雇されなかったのは国王と王妃の計らいであった。

パンケーキは感謝し、新たな業務に励むことができた。


 そうこうしているうちに国王と王妃に2人目のお子が誕生した。

この度は女の子であった。

名は『シフォン』


 シフォン姫は、それはそれは愛らしくまさに国民の太陽のようであった。


堅実で聡明な王子と可愛らしい姫。

この国は幸せで満ちている。


 ザッハトルテ前国王も存命だったらどんなに喜んだであろう、とは今は引退した前王妃『テリーヌ』の口癖となってしまっている。夫に先立たれ最近はすっかりおばあちゃん然となっている。

 モンブラン国王とマドレーヌ王妃は近隣諸国の大使などの訪問を忙しく受けながら、親戚であるエクレア家やクレープ家や遠い異国のカステラ家などの応対もしなければならない。

王子や姫と接する時間も削られる一方だ。


子供たちのためにも、もっと家族との時間を持ちたい。と考えたモンブラン国王は新たな部署を作り雑多な業務をそちらに移行させた。

その名はチョコ庁。

それは「ビター」「ミルク」「ホワイト」の3つに細分化され、ほぼ全ての国王の業務を一任できる。


 これで雑多な業務はチョコ庁に一任できるので、国王ファミリーは家族の絆を深めることができたのだった。




 実はこれこそが次代へとこの国を繋ぐのには重要だったのである。

モンブラン国王とマドレーヌ王妃からの愛情を注がれ、次の国王に相応しい教育を直々に受けたのである。

 

 ティラミス王子は優しく逞しく賢く育ち、シフォン姫は愛らしく感情豊かに育ち

それぞれが相応しい人生を歩むことになり、この国はさらに栄えるだろう。




ただし、近隣諸国のなかには

ケーキを嫌う『ブレッド共和国』があるのだった・・・


いつまでも泰平の世が続くとは限らない。ケーキを敵対視するブレッド・・・

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