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それなりに怖い話。  作者: 只野誠


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かたりばないや

 カタリバナイヤが山からやってくる。

 人を攫いにやってくる。

 冷たい、乾いた風と共にやってくる。


 月のない新月の夜に、山からやってくる。


 ガタガタと戸を鳴らし、隙間から入り込み、人を攫う。子を攫う。女を攫う。

 みな喰われる。


 山に連れてかれ、暗い穴の底で喰われる、バリボリと喰われる。


 気を付けなさい、気を付けなさい。




 カタリバナイヤが風と共にやってくる。

 人を喰らいにやってくる。

 冷たい、乾いた風と共にやってくる。


 お月様がいないときに、山からやってくる。


 風の吹きすさぶ音で、戸を叩き、人を攫う。子を攫う。女を攫う。

 みな喰われる。


 決して帰れぬ、暗い穴の底へ連れてかれ、バリボリと喰われる。


 気を付けなさい、気を付けなさい。




 カタリバナイヤはお天道様が大嫌い。

 昼間は暗き穴の底。

 冷たく、暗い穴の底で眠っている。


 お天道様がいないとき、山から起きてやってくる。


 山々の木々をかき分けて、枝を揺らし、、人を攫う。子を攫う。女を攫う。

 みな喰われる。


 光届かぬ穴の底、暗い穴の暗闇で、バリボリと喰われる。


 気を付けなさい、気を付けなさい。


 カタリバナイヤには気を付けなさい。


かたりばないや【完】

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