805/818
うそ
嘘つきは泥棒の始まり。
そんなことわざがある。
今日はエイプリルフールだ。
どんな嘘をついてやろうかと、少年は考えていた。
友人に嘘をつき、先生にも嘘をつき、親にも嘘をつく。
今日はそれでも許されるはずだった。
エイプリルフールなのだから。
その結果。
友人らは呆れかえりながらも少年を許した。
先生は少年を叱咤した。
親は激怒した。
こうなった。
そこで少年は気づく。
エイプリルフール。
嘘をついていい、そのこと自体が嘘ではないのかと。
そこで少年は思うのだ。
じゃあ、自分は泥棒にはならない、と。
少年が将来どう成長するか。
それはそれで楽しみだ。
まあ、結果は言うまでもない。
嘘をついてもいいと学んでしまったのだから。
うそ【完】




