さわがしいやすみ
日曜日、男は日々の疲れからか、昼過ぎまでベッドの上だった。
それでもまだまだ寝足りない、そう思っていた頃だ。
どこからともなく子供のはしゃぐ声が聞こえてくる。
男はうるさいと苛立ちつつも、時刻は昼の一時を優に過ぎている。
文句を言える時間でもない。
うるさすぎて寝続けられるわけでもない。
男は仕方なく起き上がり、昼食の準備を始める。
そこで初めて男は気が付く。
子供のはしゃぐ声が思いのほか近いということに。
隣の家からとばかり思っていたが、男の家の庭ぐらいから聞こえてきているのだ。
男は急いで自分の家の庭を窓から確認する。
すると、三人の白い服を着た子供たちが庭で騒いでいるのだ。
男は子供のすることだと、そう思いつつも眠りを邪魔されたのもあって、どこの子だ! と窓を開けて大声で怒鳴る。
すると白い服を着た三人の子供が一斉に男の方を向く。
その顔を見え男は固まる。
青白い肌。
何もないような黒いくぼみだけがある両目。
開いた口の中も真っ黒だ。
人間ではない。
そう思えた男はすぐに窓を閉め鍵をかける。
その次の瞬間、何もないのに窓ガラスがドンドンと叩かれたように揺れ始める。
そして窓ガラスに白い手形だけが、窓が揺れるごとに増えていく。
男はすぐに家の和室、仏壇がある部屋へと逃げ込み、仏壇に線香を上げ、念仏を唱え始める。
念仏を唱え続け、しばらくして男が和室の窓をふと見ると、三人の白い子供が窓のすぐ外に立って、そのうつろな真っ黒な穴のような目で男を見ていた。
男は悲鳴をあげると、子供たちはゲラゲラと笑い、そのままどこかへと走っていった。
それでやっと静かな休日が男に訪れたのだ。
さわがしいやすみ【完】




