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それなりに怖い話。  作者: 只野誠


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いおん

 エアコンの室外機から、異音がしてくる。

 それにエアコンの効きも悪い。

 飼っているペットが寒さに弱いために、あまりエアコンを止められない。

 そう考えた女はエアコンの修理を、エアコンが壊れきる前に依頼する。


 エアコンの修理をする人が来て、まず室内機の様子を確認する。

 特に変わった所はない。

 続いて室外機を確認する。

 修理をしに来た人が、室外機を開けたとき、うわっ、という声が聞こえてきた。

 修理に立ち会っていた女は、室外機が置いてある場所、ベランダを覗き込む。

 そして、室外機の内部を見て女も、うわっ、と声を漏らした。


 カバーを取り外されたエアコンの室外機の中に、髪の毛、もしくは動物の毛と思われるようなものが、大量に詰まっていたからだ。


 修理の人は、なんだこれ…… と言って、その毛を見て、どこから手を付けていいか考えているようだった。

 女は動物の巣か何かですか? と修理の人に聞くが、修理の人も首をかしげるだけだった。


 ただ、女の住んでいる階は五階であり、野生動物などが入り込んできたとも考えにくい。

 だとすると誰かのいたずらということになる。


 修理の人は女に、これは有償の修理になるかもしれない、そのことを伝える。

 女は怪訝そうな顔をして、何でですか? と尋ねると、野生動物などが巣を作って壊した場合は有償になる規則だとそう伝えてきた。

 さらに、毛が絡みつき機械の内部まで入り込んでいるため、今日の修理は不可能だと、恐らく室外機自体を取り替えることになる、と付け加える。

 それほど髪の毛のような何かが、室外機の中に絡みこんでいたのだ。


 女はそれは困る。

 ペットを飼っていて室温には注意しないといけない、と文句を言う。

 修理の人はそのペットが原因なのでは、そう思ったが、女が飼っていたペットが爬虫類であり、毛のない種類だったので、さらに顔をしかめる。


 とりあえず、この状態でのエアコンを使うのは危険なので、エアコンを使うことをやめるようにも、女は注意される。

 女は仕方なく、電気ストーブを買ってきて、それでしばらくの間対応することにした。


 後日、新しい室外機が取り付けられる。

 その際、とても珍しいケースなので、毛まみれの室外機をメーカーの方で引き取りたい、という申し出があった。

 その分、修理というか、新しい室外機代を値引くという話だったので、女もそれを了承する。


 さらに数日が経ち、メーカーから封書が送られてきた。

 室外機の請求書かと思いきや、中には室外機代を無償にする旨が書かれた手紙が入っていたのだ。

 女はその手紙を読んで、メーカー側の不備だったのか、と思ったが、室外機の内部が毛で埋まるような不備などあるわけもない。

 さらに、なぜか、その封筒の中に一枚、お札のようなものが入っていた。

 もし、何かあれば、その札を室外機に張って貼ってみてください、と書かれたメモとともに。


 何か嫌なものを感じた女は、メーカーに連絡して詳細を聞こうとしたのだが、詳細を聞くことはできなかった。


 それからかもしれない。

 女は少し大きなトカゲを飼っているのだが、そのトカゲが稀にベランダの室外機の方をジッと見ていることがある。

 ついでにお札はすぐに室外機に張ったが、効果があるのかは不明だ。

 





いおん【完】

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