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それなりに怖い話。  作者: 只野誠


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あしおと

 少年は受験を控えていた。

 だから夜遅くまで勉強していた。


 特に週末の夜などはそうだ。

 だからか、夜遅くに息抜きがてらに、よく夜食を作る。

 今日は鍋焼きうどんを作っていた。

 土鍋の鍋にうどんを入れて、汁を入れ、かまぼこを入れ、卵を落とす。

 そして、一煮立ち。


 うどんが煮えるのを待っている時だ。

 階段を降りてくる足音がする。


 少年は家族の誰かが起きて、降りてきたのかな、と、深夜の台所から階段の方を見る。

 だが、だれも上の階から降りては来ない。

 気のせいだったかと、少年は鍋に意識を集中させる。


 何かしらの肉でも一緒に入れておけば良かったか、そんなことを考えながら。


 そうしていると、今度は階段を一階から二階へ登っていく足音がする。

 少年は、やっぱり誰か起きて様子でも見に来ていたのだと、そんなことを考える。


 うどんが煮え終わったので、箸を土鍋をお盆に乗せる。

 ついでに飲み物も用意する。

 その時だ、再び誰かが階段を降りてくる音がする。

 少年はすぐに階段の方をむくが誰も階段からは降りてこない。

 少年は首をかしげるが、そこまでは気にしない。


 そのお盆を持って少年は二階にある自分の部屋へと戻る。

 お盆を持って階段を上っている時だ。


 少年の後をつけるように、階段を上ってくる足音がする。

 とっさに少年はお盆を持ったまま振り返るが、そこには誰もいない。


 少し怖くなった少年は駆け足で自分の部屋へ向かう。

 だが、両手にはお盆を持っている。

 少年は土鍋を乗ったお盆を一度廊下の床に置き、自室のドアを開ける。

 その間に、少年をつけてきていた足音はすぐ真後ろまで来ている。

 少年が後ろを振り返るが、もちろん、そこには誰もいない。


 少年は床に置いたお盆を持って自室に逃げ込んでドアを閉める。

 そして、自分の部屋を見渡す。もちろん誰もいない。

 少年は一息つく。


 その後、少年がうどんを食べだすのだが、ふと少年は気づくのだ。

 部屋の中を歩き回るような、足音に。





 

あしおと【完】

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