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それなりに怖い話。  作者: 只野誠


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はれたひ

 晴れた日曜の日に男は散歩に出かけていた。

 まだ正午前の時間だ。


 寒くはあるが清々しいほどの青空で、気持ちが良い。

 そんな空を見ながら男は家の付近を散歩していた。


 誰に合うこともない。

 近所は静まり返っている。

 それだけに晴れた空が気持ちよい。


 そこで男も気づく、あまりにも静かすぎる、と。

 町の喧騒が一切ない。

 車の走る音すら聞こえてこない。


 男は少し小走りになり大通りに出る。

 大通りにも人はいないし、車すら通っていない。


 いくらなんでもおかしい。

 男はそう考える。


 そこで男は近くのスーパーへと向かう。

 流石にそこには絶対人がいるはずだと。


 だが、スーパーは店自体は開いているのだが、入り口の自動ドアがなぜか開かない。

 ガラスの壁から中を見る限り、店の中にも誰もいない。


 男はいよいよ変なことになってきたと、確信する。

 どこか異世界にでも迷い込んでしまったのではないか、男はそんなことを考え始める。


 男はとりあえず自分の家に戻ることを考える。

 それに家にスマホを置いてきてしまっている。

 スマホで家族に連絡を取ればどうにかなるかもしれない。

 それすらできないようなら、いよいよ、だと、男は速足で自分の家へと急いで戻る。


 流石にもう空を見ている余裕はない。


 男が自分の家について玄関のドアを開いた瞬間だ。

 街に喧騒が戻る。


 遠くから車が走る音が聞こえ、隣人達の生活音が聞こえてくるようになった。

 男が振り返ると、家の前の道を近所のおばさんが歩いている。


 男は戻ってこれたと安心する。

 普段はうるさいとしか思わない喧騒が、今はなぜだか嬉しく感じる。


 男はとりあえずスマホを手に取り、なんとなく両親へ久しぶりに電話をかけた。






はれたひ【完】

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