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それなりに怖い話。  作者: 只野誠


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ほこらがこわれた

 祠が壊れた。

 何もしてないのに、石で造られていた祠がひとりでに割れ、崩れたのだ。


 それを見ていた少女は村長に知らせる。


 村長は激怒する。

 あの祠を壊したのか? と。

 少女は本当に近くにいただけで勝手に壊れたのだと、弁明するが、村長はそれを聞かない。


 そして、村長はその責任を少女に、その親に課そうとする。

 少女の両親はそれを聞いて憤るが、村長には逆らえない。

 仕方なく少女の両親は村長が課して来た条件を飲む。


 少女の両親は新しい祠建設費用として五十万を支払った。


 まあまあ、痛い出費だったが払えないほどの金額ではない。

 だが、少女は怒った、本気で怒ったのだ。

 少女は本当に近くにいただけで、祠に触れてもいない。

 祠が壊れた時に、一緒にいた友人らを集め、村長に直談判した。


 その中には村長が溺愛している村長の孫娘までいた。

 村長もそれには唖然とする。

 村長の孫娘も、少女は本当に祠に触れていないと、証言する。


 それには村長も認めざる得ない。

 村長は仕方なく少女の両親から受け取った五十万円を少女の両親へと返す。


 そこで村長の孫娘は村長に尋ねる。

 そもそも何の祠なの、と。


 村長は口ごもる。

 その答えは村長としては言いたくはない。


 だが、もう一度、孫娘が怒った顔で同じことを言うと村長も言うざるえない。

 村長は、本当に言いづらそうに言ったのだ。


 ここは何もない村だがら、ああいう物があれば、なんか箔が着くかなって、と。

 村長は孫娘から目線を外し、そう言った。


 たしかに祠の中には何も入っていなかった。

 壊れた祠も妙に真新しかった。


 孫娘や少女達が村長にあきれ果てたのは、仕方がないことだ。


 だが、村長が怒ったのも無理のない話だ。

 建てたばかりの真新しい祠が崩れたのだから。


 それがなぜひとりでに壊れたのか、その理由は知らない方が良い。





ほこらがこわれた【完】

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