表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
それなりに怖い話。  作者: 只野誠


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

26/679

えれべーたー

 B子が住むマンションには少し古いエレベーターが付いている。

 マンションについているには少し大きなエレベーターが。

 最近よく故障の張り紙が張られているような、そんなエレベーターだ。

 故障と言っても、エレベーター内部の蛍光灯がよく付かなくなる、そう言った物だ。


 蛍光灯を変えてもすぐ蛍光灯がダメになってしまうとの話だ。

 B子はまだその場面に遭遇したことないが、乗っているとパチンと蛍光灯が急に切れるのだとか。

 確かに何度かエレベーター内部の電気が落ちているところを見たことがある。

 古いエレベーターなのでエレベーター自体がもうダメなのでは、という話もあるが費用が結構かかるとの話だ。

 それにエレベーターの定期点検自体では特に不備は発見されてないとのことだ。


 ただ夜真っ暗なエレベーターに乗るのは少し怖い。

 B子はそう言った時は、階段を使っていた。


 B子が仕事帰りにマンションのエレベーターを使っていた時、B子は自室がある七階を押していたが、四階でエレベーターが止まりドアが開いた。

 しばらく待つが誰も乗ってこない。

 B子はエレベーターから顔を出して辺りを伺う。

 誰もいない。

 B子は閉じるのボタンを押して七階へと上がっていった。


 そんなことが数回起こった。

 必ずではないか、何度か誰もいない四階で止まることはあった。


 B子はそのことを管理人に言うと、他にもそう言う報告を受けているという話だ。

 そして、この間の点検でも何もなかったのに、とのことだ。


 本格的にエレベーターの寿命が来たのでは、とB子は考える。

 自分が払うわけではないが費用が掛かるし、工事期間中は階段を使わなければならない。

 だから、管理人はその情報だけ言って、エレベーターについての文句は直接口には出さなかった。


 それからしばらくして、B子が夜帰宅時に、エレベーターに乗っているとやはり四階でエレベーターが止まる。

 そして、エレベーターのドアが開く。


 その瞬間、パチンと音がしてエレベーターの蛍光灯が消える。

 ただエレベーターのボタンや回数表示のランプはついているので、噂通りエレベーターの照明の電気だけが消えたのはすぐに分かった。

 流石にB子も驚き、恐怖する。

 夜に、誰もいない四階に止まり、そしてその瞬間電気迄消えたのだから。

 B子は外を確認せずに、閉まるボタンを連打する。

 エレベーターのドアが閉まりはじめる。


 B子は、エレベーターのドアが閉まり切りホッと安心をする。


 その瞬間、エレベーターのドアの硝子の部分に、ドンッと音を立てて手が張り付いた。

 B子は余りにも驚いて悲鳴を上げ、エレベーターが七階に着くのと同時に自分の部屋へと駆け込んでいった。


 あの手が生きた人間のものだったのか、それ以外のものだったのか、B子にはわからない。


 ただB子はそれ以来、夜は階段を使うことにした。

 それだけの話だ。





えれべーたー【完】

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ