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それなりに怖い話。  作者: 只野誠


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おうじょうぎわ

 少年は夏休みを楽しんでいた。

 プールへ行き、海へ行き、田舎へ行って。

 夜更かしをし、朝寝坊をし、逆に朝早く起き、遊び、遊び、遊び回った。


 だが、何事にも終わりはやってくる。

 楽しかった夏休みも今日で終わりなのだ。

 八月も終わりを迎え九月になる。

 また学校が始まるのだ。


 夢のような生活は終わりを迎えるのだ。


 少年は母親に言われ、渋々学校の用意をしだす。

 そこで気づく。

 夏休みの宿題という存在を。


 気づいた少年は既に諦めていた。

 だが、それを母親に見抜かれてしまう。

 母親に怒られ、少年は嫌々宿題を始める。


 漢字ドリル、計算ドリル時間はかかるが終わらせることはできた。

 だが、問題は自由研究と絵日記、読書感想文だ。

 どれもこれも時間が掛かる。

 今日一日で終わらすことはできないと少年は考えた。


 そこで少年は得意の悪知恵を働かす。

 読書感想文は去年の物をそのまま丸写しして終わらせた。

 絵日記も適当に書いて終わらせた。


 自由研究は、プチトマトを育てることにした。

 無論、今から種を植えたところで芽を出すこともない。


 なので、種を植えた次の日にゲリラ豪雨で種を植えた鉢が倒れ、育てられなかったことを事細かに書いて、それを自由研究とした。


 少年は多少ズルはしたが、それでも一応は夏休みの宿題を一日で終わらせたのだ。

 少年からしたら、せっかくの夏休み最後の日を宿題に費やしてしまい不満たらたらだったが。


 それらをもって少年は学校に行き、それらを提出する。


 その後、少年は呼び出され怒られる。

 まず、読書感想文が去年の物と一緒だったことを見破られ、プチトマトは種なら再度埋めなおせたのでは、と先生に詰められ少年は何も言い返せなかったのだ。


 さらに、ドリルも昨日一日でやったことも見破られる。

 絵日記だけは特に咎められることはなかったが、往生際が悪い、と少年は先生に小言を言われたのだった。




 でも、なぜ少年が一日で宿題をやったことを先生に見破られたのですかね?




おうじょうぎわ【完】

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