表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
それなりに怖い話。  作者: 只野誠


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

22/681

ふこうのてがみ

 もう二十年以上、それくらい昔の話だ。

 携帯電話が出て数年たった頃の話だそうだ。

 チェーンメールなるものが世間で流行っていた。


 要は不幸の手紙だ。


 このメールを見た者は、同じ内容のメールを五人に送らないと不幸になったり呪われたり、といった内容の物だ。

 そんな物が流行っていた。

 中にはこれは黒魔術の一環でそうやって悪意を拡散したり、集めたりして黒魔術を行っているのだ、という者まで出てくるような話だ。

 けど、もし仮にそれが本当にそう言う、黒魔術的なメールだったら?

 と、言うのが今回の話だ。

 無論、真相は不明だ。


 そのチェーンメールには画像が添付されていた。

 それは首の切られた鶏の画像だ。

 それだけでも十分に気味悪いのだが、、恐らくは鶏の血で、その生贄にでもした鶏の周囲に魔法陣のようなものが描かれているのだと言う。


 ただ画像の解像度は悪く、それほど鮮明には見えないし、その鶏が本物かどうかもわからなかったのだと言う。

 メールの内容もこの画像は呪われる儀式をしたものであり、この画像を見た者は呪われ、次の生贄になる、助かりたくばこのメールの画像と文章を五人に送れ、というものだ。


 メールの内容はチェーンメールの物だが、画像が荒いと言えど妙な不気味さがあった。

 だからだろうか、そのメールはとある地方で爆発的に流行ったと言われている。

 そのメールを五人に転送しても、その五分後には別の者から、新しく送られてくる。

 そんなことが起きていたという。


 そのチェーンメールが流行った理由の一つに、添付された画像が徐々に変わっていくということだ。


 ただチェーンメールの特性上、どの順序で画像が変わっていくのかはわからない。

 中には鶏が生きていると言われる画像や首を切断する寸前の画像などもあったらしい。

 

 恐らくだが、最初は生きている鶏で、首を落とされ、血を絞り出され、周囲にその血で魔法陣を書かれ、鶏の胸を開き、心臓を取り出して、最後にナイフのような物で心臓を串刺しにする。

 そんな場面を推測できるような画像の数々が添付されていたそうだ。

 あくまで推測だが、そう推測できるものでしかないのだが。

 本物の画像にしても、加工された画像だったとしても、非常に手の込んだ画像だった。

 また画像の粗さが、本物か偽物かを区別しにくくしていた理由の一つかもしれない。


 ただそのメールが出回ったのは三日から一週間程度で、そんな手の込んだようなチェーンメールは以後見かけなかったという話だ。

 

 もう二十年以上も前の話だ。

 真相は闇の中だ。




ふこうのてがみ【完】

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ