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それなりに怖い話。  作者: 只野誠


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だるい

 だるい。

 男はここ最近、妙なだるさに困っていた。

 何をするにもだるい。

 

 頭に靄が掛かったかのように意識がはっきりしない。

 休日に何かしようと思うのだが、いざ、やろうと思うと直前でやる気が出ない。


 結果、昼間からゴロゴロしてしまう。


 昼間ゴロゴロした結果、夜も寝付けない。

 そして、朝起きるとだるいのだ。


 男はそのサイクルを止めたいのだが、どうもうまくいかない。

 休日だけでなく仕事にも身が入らない。

 気が付くとボォーとしてしまっていることが多い。


 そのせいか、やはり夜寝れないのだ。

 この妙なだるさも、寝不足のせいだとはわかっているのだが、どう頑張っても寝れないので仕方がない。


 そこで男は、土曜日の夜にいっその事、寝なければ良いと、徹夜することを決心する。

 一日寝なければ、夜には泥のように眠れるだろうと。

 それで無理やり夜寝れるようにしてやろうと。


 だが、男はそもそもだるく、何事にもやる気がでない。

 そんな状態で、徹夜などできるわけもない。


 男は椅子の上で、ただただ茫然と座っている。

 時計を見る。

 まだ二十二時だ。

 日すらあけていない。

 やろうと思うことはあるのだが、体がだるく、実際にやろうとするとやる気が出ない。


 時計を見る。

 やっと零時だ。


 零時を超えてしまえば、朝まですぐだと、男は思う。

 なぜなら、ベッドに横になって眠れないままごろごろしていると、気が付けば朝になっているからだ。

 そう思っていたのだが、時計の歩みは遅い。


 それどころか妙な眠気があり、椅子の上でうとうとし出す始末だ。


 今、ベッドの上で寝っ転がれば眠れるんじゃないか、そう男が考え、ベッドの上で横になる。

 そうすると今度は、眼がぱっちりと覚めてしまう。


 男は再度、起き上がり、やっぱり徹夜するぞ、と椅子の上に移動する。

 すると今度はすぐに眠気がやってくるのだ。


 そこで男は、今度はベッドの上で横になり、心の中でこのまま徹夜するぞ、と強く思う。

 そうするとなぜか強烈な眠気がやって来て男は意識を失う。


 それからという物、男は心の中でだけだが、したいことと反対のことを心の中で強く思うようになった。

 男は、誰にも言ってはいないが、天邪鬼に憑りつかれた、そう考えている。




だるい【完】

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