表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
それなりに怖い話。  作者: 只野誠


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

168/679

てんじょうのすみ

 女は猫と共にマンションの一室に住んでいた。

 時より飼い猫のが部屋の天井の隅を凝視していることがある。


 猫が見ているのは、いつも同じ場所だ。


 女は気になりながらも猫ならよくあることだと、それほど気に留めなかった。

 その日も女の飼い猫は天井の隅を見ている。

 少し、普段よりも気になってしまった女は、猫の目線を追い天井の隅を見る。

 

 目が合う。


 女が猫の目線を追った先、天井の隅には目が合った。

 正確には人の顔の目元の部分だけあった。


 よく黒塗りで目元を隠すことがあるだろう?

 その隠している部分だけが、逆に天井の隅にあったのだ。


 女は悲鳴を上げる。

 そうすると天井の隅の目は壁に溶ける様に消えた。

 猫は女の悲鳴に驚いて逃げていった。


 それから女も天井の隅をよく見る様になる。

 自分の部屋だけではなく、どこへ行ってもビクビクし、まず天井の隅を確認する。

 ついでに、女自分の部屋の天井の四隅には布で覆い見えないようにした。


 それで女の飼い猫も天井の隅を見ることはなくなった。

 それでも、たまに猫は天井を見るのだ。

 凝視するように。





てんじょうのすみ【完】

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ