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それなりに怖い話。  作者: 只野誠


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あきち

 少年が小さい頃からの空き地がある。

 草に覆われた空き地だ。

 草以外何もないような空き地だ。


 言うなれば、子供たちの恰好の遊び場だ。

 学校が終わった後の集合場所と言えば、その空き地だ。


 バッタやカマキリを捕まえたり、秘密基地を作ったりと。

 まあ、そう言った空き地だ。


 長年、空き地だったその場所が、ある日突然立ち入り禁止になった。


 少年たちはたいそう悲しんだそうだ。

 それだけではない、自分たちが様々な物を持ち寄って作った秘密基地もすべて撤去されてしまった。


 長い事、空き地だった土地にとうとう買い手がついたらしいのだ。

 だが、問題が一つ浮上した。


 空き地を更地にする作業中に、空き地から人骨が見つかったのだ。

 空き地のかなり浅い位置にそれは埋められていたらしい。

 人骨の状況から見て他殺ではないのか、そんな噂が流れていた。

 無論、人骨がどういう状態だったのか、噂をしている人たちは何一つ知らないのだが。


 だが、よく遊んでいた少年たちも警察に事情聴取を受ける。

 少年たちが受けたのは形だけの物だったが。


 だが、問題はそこまで古くない人骨だったことだ。

 とはいえ、このこの辺りで行方不明になった人間は聞かない。

 結論から言えば、身元不明のまま誰なのかは明らかにならなかった。

 それは更にいろいろな憶測を生んだ。

 様々な噂が飛び交った。


 それが原因だったのかもしれないが、その空き地は再び売りに出されることとなった。

 再び空き地に戻ったのだ。


 けど、少年たちはその空き地で集まるようなことはもうなかった。


 今は好き好んでその空き地に入り込む者はいない。

 その噂が忘れ去られるまで。





あきち【完】

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