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それなりに怖い話。  作者: 只野誠


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まねきん

 とある地方の潰れたショッピングモールにマネキンが放置されている。

 

 廃墟というほど荒れてはいない。

 まだショッピングモールが潰れて数年といった感じだ。


 割と田舎の地方だからか、建物は壊されることなく放置され、管理もされていない。

 そんな潰れたショッピングモール、そのどこかの鍵がかかっておらず入ることが出来る、らしい。


 電気も止められているため内部は昼間でも薄暗い。

 大きな天窓があるのでそこからの光だけが昼間でも明かりの頼りだ。

 閑散としていて、物もほとんどなく、中は物寂しい。

 

 空いたテナントだけが永遠と並んでいる。


 そんなテナントの中に数体のマネキンだけが取り残された場所がある。

 なにも着せられていないマネキンが。


 それが当時のままの恰好で飾られている。

 はずだ。


 はず、というのは、どうもそのマネキン、夜な夜な動くというのだ。

 ポーズを変えるのはもちろん、散歩でもするかのように、ショッピングモール内を歩き回るという噂がある。


 そんな噂が出回ったのだ。

 心霊スポットの一つとして、肝試しに使われる事がある。

 もちろん許可など取っているわけはない。


 けれども、大体の場合は、入る場所がわからず断念するそうだ。

 噂では従業員用の出入り口だったり、トイレの窓のどれかだったりと、その噂も定かではない。


 でも、どこかの鍵が開いているということは事実のようで、たまにSNSにそのショッピングモール内の画像が上がったりもする。

 それらの画像の中に、動くと噂されるマネキンの物もあるのだが、やはりどの画像もマネキンのポーズが違う。


 それらの事実が、噂の信憑性を高めている。

 ただ、画像はともかく書かれている文章は、何もなかった、ただの潰れたショッピングモールだった、雰囲気はあった、等の感想しかない。

 何かそこで心霊現象的なものが起こったなどという話は一切出てこない。


 けれども、行くたびにマネキンのポーズだけは違うらしい。

 恐らくは侵入したものが写真を撮った後、ポーズを変えているのだろう、と言われてはいるが。


 ただそれだけの場所だ。





まねきん【完】

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